ERPNext vs Odoo 徹底比較 — 無料で使えるオープンソースERP、どちらを選ぶべき?
ERPNextとOdooを機能・費用・導入のしやすさで徹底比較。無料ERPを探しているERP選定担当者のために、両者の違い・強み・落とし穴をわかりやすく解説します。

「無料で使えるERP」は本当にあるのか?
ERP選定を始めると、Google検索で最初に目に入るのが ERPNext と Odoo の2つ。 どちらも「オープンソース」「無料」を謳っており、大手ERPの数千万円という導入費用に比べれば魅力的に映ります。
しかし——
「無料」の中身は、ERPNextとOdooでまったく違います。
- Odooの「無料」は、実は 1アプリだけ。2つ目のアプリを追加した瞬間に有料プランが必要
- ERPNextの「無料」は、全モジュールがライセンス無料。GPLv3で完全にオープン
この記事では、ERP選定中の担当者が 「結局、うちにはどちらが合うのか?」 を判断できるよう、両者を多角的に比較していきます。
ERPNext と Odoo — 基本プロフィール
まず、両者の基本的な違いを押さえておきましょう。
| 項目 | ERPNext | Odoo |
|---|---|---|
| 開発元 | Frappe Technologies(インド) | Odoo SA(ベルギー) |
| 初版リリース | 2008年 | 2005年(旧称 OpenERP) |
| ライセンス | GPLv3(全機能オープンソース) | Community版:LGPL / Enterprise版:プロプライエタリ |
| 導入実績 | 世界30,000社以上 | 世界12,000,000ユーザー以上(公称) |
| 開発言語 | Python + JavaScript(Frappe Framework) | Python + JavaScript(Odoo Framework) |
| 対応言語 | 70以上の言語 | 60以上の言語 |
一見似たように見えますが、ライセンスモデルと費用構造に決定的な違いがあります。ここから深掘りしましょう。
❶ ライセンスと費用 — 「本当に無料」はどちらか?
🔓 ERPNext:全モジュールがGPLv3
ERPNextは GPLv3ライセンス の完全オープンソース。 会計・販売・購買・在庫・製造・CRM・HR——すべてのモジュールが無料で利用可能です。
- ライセンス費用:0円(永久無料)
- ユーザー数制限:なし
- 機能制限:なし(全機能利用可能)
ERPNext.JPのクラウドサービスをご利用の場合は 月額10万円(税別) で、ホスティング・保守・アップデートまですべて含まれます。
🔒 Odoo:「無料」の罠に注意
Odooの無料版(Community Edition)は、確かに無償で利用できます。 しかし、実務で必要な機能の多くがEnterprise版(有料)にしか含まれていません。
| 機能 | Odoo Community(無料) | Odoo Enterprise(有料) |
|---|---|---|
| 会計 | ✅ 基本機能のみ | ✅ フル機能 |
| 製造(MRP) | ⚠️ 基本のみ | ✅ フル機能 |
| 品質管理 | ❌ なし | ✅ あり |
| スタジオ(ノーコード開発) | ❌ なし | ✅ あり |
| IoT連携 | ❌ なし | ✅ あり |
| 多拠点在庫(上位ルーティング) | ❌ なし | ✅ あり |
| 公式サポート | ❌ なし | ✅ あり |
さらに、Odoo Enterpriseの料金は ユーザー単価×人数 です。
Odoo Enterprise の料金目安: Standard プラン:約 $24.90/ユーザー/月 ~ Custom プラン:約 $37.40/ユーザー/月 ~ ※ 50名利用の場合、月額 約18万円〜27万円 以上に
一方、ERPNext.JP なら 50名でも100名でも月額10万円のまま。ユーザー数が増えるほど、コスト差は広がります。

❷ 機能比較 — 製造業・中小企業の視点で
ERP選定で重要なのは「機能が多いか」ではなく、「自社の業務に合う機能があるか」 です。 ここでは、日本の中小製造業で特に重視される機能を比較します。

受注・販売管理
| 機能 | ERPNext | Odoo |
|---|---|---|
| 見積 → 受注 → 出荷 → 請求の一気通貫 | ✅ 標準 | ✅ 標準 |
| FAX-OCR受注取込 | ✅ 対応(ERPNext.JP) | ❌ 標準なし |
| EDI取込(CSV/Excel) | ✅ 柔軟なマッピング | ⚠️ カスタム開発が必要 |
| ECモール連携 | ✅ API連携 | ✅ コネクタあり |
在庫・倉庫管理
| 機能 | ERPNext | Odoo |
|---|---|---|
| ロット・シリアル管理 | ✅ 標準 | ✅ 標準 |
| 賞味期限管理 | ✅ 標準 | ✅ 標準 |
| バーコードスキャン入出庫 | ✅ 標準 | ⚠️ Enterprise版のみ(バーコードアプリ) |
| 多拠点倉庫管理 | ✅ 標準 | ✅ 標準 |
製造管理
| 機能 | ERPNext | Odoo |
|---|---|---|
| 多段BOM(部品表) | ✅ 最大5階層 | ✅ 対応 |
| MRP(所要量計算) | ✅ 標準 | ⚠️ Enterprise版は高機能 |
| 月次原価計算(転がし計算) | ✅ 日本式に対応(ERPNext.JP) | ❌ 標準原価方式のみ |
| 設備スケジューラー | ✅ ガントチャート対応 | ⚠️ Enterprise版のみ |
会計・日本対応
| 機能 | ERPNext | Odoo |
|---|---|---|
| 消費税10%/軽減8%対応 | ✅ ERPNext.JP標準 | ⚠️ ローカライズ必要 |
| インボイス制度対応 | ✅ ERPNext.JP標準 | ⚠️ ローカライズ必要 |
| 全銀CSVフォーマット入金消込 | ✅ ERPNext.JP標準 | ❌ カスタム開発が必要 |
| 日本語UI | ✅ 完全日本語対応 | ⚠️ 一部未翻訳あり |
💡 ポイント: ERPNextは「足りない機能を追加する」のではなく、「日本の商習慣に合わせた機能がすでに入っている」 のが強みです。Odooは汎用性が高い反面、日本市場への対応は自前での開発が求められるケースが多くあります。
❸ カスタマイズ性 — 拡張しやすいのはどちら?
ERPNext:Frappe Frameworkの一体感
ERPNextは Frappe Framework 上に構築されています。 カスタマイズの方法が統一されており、学習コストが低いのが特徴です。

- カスタムフィールド — 画面から数クリックで項目追加
- クライアントスクリプト — JavaScriptで画面の動的制御
- サーバースクリプト — Pythonでビジネスロジックを追加
- カスタムアプリ — 独自アプリを作成し、本体に影響を与えず拡張
すべてが同じフレームワーク上で動くため、カスタマイズ同士が干渉しにくく、アップグレードにも強い構造です。
Odoo:豊富なモジュール、しかし複雑さも
Odooのエコシステムには 40,000以上のモジュール が存在します(Odoo Apps Store)。 選択肢は圧倒的に豊富ですが、注意点もあります。
- サードパーティ製モジュールの 品質にばらつき がある
- モジュール間の 依存関係が複雑 になりがち
- Enterprise版限定の「Studio」がないと、ノーコードでのカスタマイズが難しい
- バージョンアップ時に 互換性問題 が発生するリスクが高い
🔧 カスタマイズは「できること」より 「安定して維持できること」 が重要です。長期運用を見据えるなら、フレームワークの一貫性は見逃せないポイントです。
❹ 導入のしやすさ — 中小企業にとっての現実
ERPNext:シンプルなアーキテクチャ

ERPNextは 1つのフレームワーク(Frappe)上にすべてが統合 されています。 インストール・セットアップ・運用がシンプルで、ITに詳しい専任担当者がいない中小企業でも扱いやすい設計です。
- セットアップウィザードでの初期設定
- Excelライクな画面で、現場スタッフも違和感なく利用開始
- 日本語のドキュメント・サポート体制(ERPNext.JP)
Odoo:高機能ゆえの複雑さ
Odooは機能が非常に豊富な反面、初期設定の工数が大きくなりがち です。
- 必要なモジュールを一つずつ選定・インストールする設計
- モジュール間の整合性は自分で確認する必要がある
- 日本市場向けのパートナーは ERPNextより多い が、費用も高め
❺ コミュニティとサポート体制
| 項目 | ERPNext | Odoo |
|---|---|---|
| グローバルコミュニティ | 活発(GitHub / Discuss) | 非常に活発(世界最大級) |
| 日本語コミュニティ | 成長中 | 小規模 |
| 日本向けサポート | ERPNext.JP(MyHaTch)が導入~運用を伴走支援 | 複数のOdooパートナーが存在 |
| ソースコードの透明性 | ✅ 全コード公開 | ⚠️ Enterprise版は非公開 |
| バージョンアップ | 無料(コミュニティ主導) | Community版は無料 / Enterprise版は有料 |
❻ 総合比較 — 一目でわかる選定チャート
| 評価軸 | ERPNext | Odoo |
|---|---|---|
| 💰 初期コスト | ◎ 低い | △ Enterprise版は高い |
| 💰 ランニングコスト | ◎ ユーザー無制限 | △ ユーザー課金 |
| 🏭 製造業向け機能 | ◎ 日本仕様で充実 | ○ Enterprise版なら充実 |
| 🇯🇵 日本市場対応 | ◎ ERPNext.JPが対応済 | △ 自前でのローカライズが必要 |
| 🔧 カスタマイズ性 | ○ 統一的で安定 | ◎ モジュール数は圧倒的 |
| 📖 学習コスト | ◎ 低い | ○ やや高い |
| 🔓 オープンソースの純粋性 | ◎ 全機能がOSS | △ 二層構造(CE / EE) |
❼ 実際の検討者の声 — 「結局、ERPNext.JPに決めました」

ここまでスペック比較を見てきましたが、実際に両方を触って比較した人はどう感じたのか? ERPNext.JP導入前に、OdooとERPNextを並行検討されたお客様の声をご紹介します。
「最初はOdooに惹かれました。見た目もきれいだし、アプリの数も多い。でも、触っていくうちに『無料の壁』にぶつかるんです。」
機能面の実感:3段階の力関係
実際に両方のデモ環境を操作した結果、そのお客様が感じた力関係はこうでした。
| 比較 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| ERPNext(本家) vs Odoo Community(無料) | ERPNext の勝ち | 「Odooの無料版は制限が多すぎて、実務では正直使い物にならなかった」 |
| ERPNext(本家) vs Odoo Enterprise(有料) | Odoo Enterprise の勝ち | 「さすがに有料版は高機能。ただしユーザー課金で費用が膨らむ」 |
| ERPNext.JP vs Odoo Enterprise(有料) | ERPNext.JP の勝ち | 「日本の業務に合わせた機能が最初から入っていて、使いやすさもカスタマイズ性も上だった」 |
「Odoo Enterpriseは確かに高機能です。でもERPNext.JPは、日本の現場に必要な機能がすでに組み込まれていて、余計な設定やカスタマイズが要らない。トータルで見たら、ERPNext.JPのほうが圧倒的に使いやすかった。」
Odooの「無料→Enterprise誘導」戦略
このお客様が特に気になったのが、Odooのビジネスモデルそのものでした。
「Odooは『無料で始められます』が売り文句ですけど、実際に業務で使おうとすると、すぐにEnterprise版が必要になる設計なんです。品質管理もバーコード連携もStudioも全部有料。結局、最初から有料プランに乗せるための『入口』として無料版が用意されている印象でした。」
💡 ポイント: Odooの無料版はあくまで 「試食」 であり、実務で使えるフル機能は有料のEnterprise版にしかありません。一方、ERPNextは全機能がGPLv3で公開されており、「後から課金が必要になる」という心配がありません。
最終的な決め手
「コスト・機能・使いやすさ・将来の拡張性——すべてを総合して、ERPNext.JPに決めました。特に、ユーザー数無制限で月額固定という料金体系は、パートや協力会社のスタッフにもアカウントを配れるので、現場全体でシステムを回せる。これが一番の決め手でした。」

結論 — あなたの会社にはどちらが合う?
ERPNextが向いている企業
- ✅ ユーザー数が多い(パート・協力会社含めて全員にアカウントを配りたい)
- ✅ 製造業(特に食品加工・部品製造で日本式の原価計算やトレーサビリティが必要)
- ✅ ランニングコストを固定したい(月額10万円で予算を確定させたい)
- ✅ ベンダーロックインを避けたい(全コード公開のGPLv3が安心)
- ✅ FAX受注・EDI取込が業務の核
Odooが向いている企業
- ✅ サービス業・小売業など、製造以外がメイン
- ✅ 豊富なモジュールエコシステムを活用したい
- ✅ 少人数(〜10名)でスモールスタートしたい(ユーザー課金でも影響が少ない)
- ✅ Webサイト・EC構築もERP内で完結させたい(Odooのウェブビルダーは高機能)
ERPNext.JPなら、比較検討から導入まで伴走します
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私たち MyHaTch は、ERPNextの導入から運用まで伴走し、 日本の中小製造業の現場に寄り添った形でサポートを行っています。
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