Q&Aガイド

ERPNextやERPNext.JPに関して寄せられる質問を、導入フェーズ・テーマ・実際の課題ごとに整理した総合FAQです。

15分

ERPNext・ERPNext.JP 総合Q&Aガイド

ERPNext・ERPNext.JP 総合Q&Aガイド

ERPNextやERPNext.JPについて寄せられる質問を、

  • 導入フェーズごと(検討→導入→運用→拡張)
  • テーマ別(会計・在庫・販売・カスタマイズ・セキュリティ)
  • 実際の課題ベース

の3つの切り口で整理しました。
「これから検討する方」も「すでに運用している方」も役立つ、総合FAQ です。


1. 導入フェーズごとのQ&A

導入・費用に関するQ&A


❓ ERPNextは無料で使えるのですか?

【〇】 はい。ソフトウェア自体は無料で利用可能です。
ただし、実運用にはサーバーの運用管理・バックアップ・セキュリティ更新、トラブル対応などが必要です。
また、インド生まれのERPのため、日本仕様に合わせた多くのカスタマイズが必要になるケースが多いです。
(「下記、カスタマイズに関するQ&A」も参考にしてください)


❓ ERPNextとERPNext.JPの違いは?

A. ERPNextはグローバル向けに提供されているOSSそのものを指します。
一方、ERPNext.JPはそれを日本企業向けにカスタマイズ・ホスティングしたサービスです。

例えば、ERPNext.JPでは下記機能などを対応済みのため、導入後すぐに使い始められるのが特徴です。

  • 日本語翻訳の適用
  • 消費税やインボイス制度対応
  • 日本の商習慣に沿った帳票(請求書・領収書など)
  • 日本のクラウド環境(国内サーバー)での安定稼働
  • 要望の多いカスタマイズ

❓ ERPNext.JPの料金体系はどうなっていますか?

【月5万円】 ERPNext.JPは、日本企業向けにクラウドSaaSとして提供されており、月額料金制です。
月5万円〜 から利用でき、料金体系は下記の通りです。

ERPNext.JP 価格・プラン


❓ 他のERP(SAP、Oracle、freee、マネーフォワード)との違いは?

A.

  • SAP/Oracle
    大企業向け。導入コスト数千万円〜。機能は豊富だが重厚長大。
  • freee/マネーフォワード
    中小企業向けクラウド会計。会計・人事労務などのバックオフィス系を中心に販売管理なども提供。
  • ERPNext
    製造業・在庫・販売・会計・人事など、広範囲をカバーする本格ERP。柔軟にカスタマイズ可能な設計やオープンソースである点なども特徴。料金も安く、中小企業向けにも導入しやすい。

❓ なぜERPNextは中小企業に向いているのですか?

A. 中小企業に必要な機能を オールインワンで備えている からです。
例えば:

  • 販売管理、購買管理、会計、在庫、製造、人事が最初から統合されている
  • 追加ライセンス費用なしで全社員が使える
  • 自社に合わせてノンコードでカスタマイズできる柔軟性

結果的に「成長段階に合わせてスモールスタート → 拡張」ができるので、中小企業との相性が抜群です。


❓ 他社のERPから移行するのは難しいですか?

A. データの移行作業は一定の準備が必要ですが、不可能ではありません。 ERPNextには CSVインポート機能 があり、マスタデータ(顧客・商品・仕訳など)は比較的スムーズに移行できます。
ただし、複雑な履歴データや他システムとのAPI連携は個別調整が必要です。 ERPNext.JPでは「段階移行(並行稼働しながら徐々に切替)」の支援を行っています。


❓ 従来のExcel資産を活かせますか?

【〇】 はい、可能です。
ERPNextのデータベース(MariaDB)はODBC接続を通じてExcelなど外部ツールから参照できます。
これにより、従来のExcelベースのレポート作成や独自集計を継続しながら、ERPの一元管理のメリットを享受できます。

さらに、ExcelではVBAなどのスクリプトを組む必要のあった 業務の自動化・アラート機能・通知機能 も、ERPNextの標準機能(ワークフローやスケジューラー、Webhook)で実現可能です。
つまり「使い慣れたExcel文化」を活かしつつ、ERPならではのリアルタイム性と自動化の強みを組み合わせることができます。


❓ 他システム(freee、Salesforceなど)との連携は?

【〇】 ERPNextはオープンソースで、REST APIとWebhookを標準で提供しているため、外部システムとの双方向連携が可能です。

ERPNext.JPでも、以下のような連携事例があります:

  • freee / マネーフォワード:会計仕訳の同期
  • Salesforce / HubSpot:CRM・営業情報の連携
  • ECサイト(Shopify, 楽天, Amazon):受注データの取り込み
  • 銀行APIやCSV:入出金データの取り込み

Webhookを活用すれば、ERPNextでの登録・更新イベントをリアルタイムに他システムへ通知でき、業務全体を「つながる仕組み」として構築できるのが強みです。


❓ 無料トライアルはありますか?

A. はい。ERPNext.JPでは 30日間無料トライアル を提供しています。
クラウド環境に自社専用のサーバーが立ち上がり、すぐにERPNextを触ることができます。
この期間で「操作感」「自社フローとのフィット感」を確認できるのが大きなメリットです。


機能に関するQ&A

共通

❓ モバイルやタブレットでも使えますか?

A. はい。ERPNextはレスポンシブデザインで設計されており、スマートフォンやタブレットからでも快適に利用できます。
ブラウザベースのためアプリのインストールは不要で、現場スタッフが入庫・出庫や検品をその場で入力するなど、モバイル活用に適しています。


❓ モバイルやタブレットでできないことはありますか?

【複雑な操作】 PC向けに最適化された複雑な画面(帳票の細かいレイアウト調整、複雑なワークフロー設定、マルチウィンドウ操作など)はモバイル画面では操作性が制約されます。

なお、ERPNext.JPはPWA(Progressive Web App)に対応しているため、
スマートフォンに「アプリのようにインストール」して使うことも可能です。
これにより、オフライン時でも一部のキャッシュ機能を活用できます。


❓ 会計・在庫・販売管理をすべてERPNextで運用できますか?

A. 可能です。ERPNext.JPは、販売・購買・在庫・会計を統合したオールインワンERPです。
見積から受注、出荷、請求、入金処理まで一連の業務をシームレスに連携できるため、部門間の情報共有がスムーズになります。

また、オプションとなるケースが多い、BOM管理や所要量計算、工単管理などの機能も標準で搭載されていますし、 売上UPに繋がるCRM機能も標準で搭載されています。


❓ 社員ごとに権限を細かく設定できますか?

A. はい。ユーザーごとにアクセスできるデータや操作権限を細かく設定できます。
たとえば「参照のみ」「登録可能」「承認権限あり」といったロールベースの制御を対象データごとに制御可能です。
部門別や役職別に権限を割り当てれば、セキュリティと内部統制を両立できます。

しかも、誰が何を修正したかの操作ログも標準で取得します。


❓ 請求書や帳票を日本仕様にできますか?

A. ERPNext.JPでは、日本企業向けの帳票フォーマット(請求書・見積書・納品書など)をあらかじめ用意しています。
会社ロゴ、社判、銀行口座情報を組み込んだ独自レイアウトにも対応可能です。
さらに、印刷フォーマットビルダーを使えば、項目の追加や並び替えもドラッグ&ドロップで編集でき、業務に合わせて柔軟に調整できます。

会計・請求の課題

❓ 会計(仕訳・決算・消費税対応)はどこまで可能ですか?

A. ERPNextは会計モジュールを標準搭載しており、仕訳入力、月次・年次決算、試算表、損益計算書・貸借対照表の自動作成が可能です。
部門別管理(Cost CenterやAccounting Dimension)や多通貨会計にも対応しており、中小企業から多拠点企業まで幅広く利用できます。


❓ 日本の消費税やインボイス制度には対応していますか?

A. はい。ERPNext.JPでは、日本の消費税(標準10%・軽減8%)やインボイス制度に対応しています。
取引ごとに税区分を設定でき、適格請求書の出力や消費税集計レポートを自動生成できます。


❓ 請求書のレイアウトを日本仕様にしたい

A. ERPNext.JPでは、日本仕様の請求書フォーマットを標準で提供しています。
社名・ロゴ・社判・銀行口座などを含むレイアウトに加え、印刷フォーマットビルダーを使って項目の追加や並べ替えも可能です。
また、独自CSSを用いた完全カスタムデザインにも対応しています。


❓ 入金消込や銀行連携はどうすればいいですか?

A. ERPNextには入金データと請求書を自動で突合する「ペイメントエントリー」機能があります。
銀行の入出金データをCSVやAPIで取り込めば、自動消込や未収金の確認が効率化されます。
ERPNext.JPでは全銀フォーマットや主要銀行のAPIにも対応予定ですので、日本の商習慣に即した運用が可能です。

在庫・製造の課題

❓ 在庫管理や製造業務にも対応していますか?

A. はい。ERPNextは在庫管理と製造管理を標準モジュールとして搭載しています。
仕入から入庫・在庫移動・出庫までをリアルタイムに管理でき、製造モジュールではBOM登録から製造オーダー、原価計算まで一貫して運用可能です。
在庫と会計が自動連動するため、棚卸や製造原価の算出も効率化されます。


❓ 倉庫・ロケーションごとの在庫を管理したい

A. ERPNextでは倉庫単位はもちろん、ロケーション(棚や区画)レベルまで在庫を管理できます。
さらにロット番号、シリアル番号、有効期限の追跡も可能で、食品・医薬品・製造業など高精度な在庫管理を求める業界にも対応できます。


❓ 製造指示書やBOM管理は可能ですか?

A. はい。ERPNextはBOM(部品表)を基盤に、製造指示書(Work Order)を自動生成できます。
必要資材の引当から仕掛品の進捗管理、完成品の入庫まで一元的に管理可能です。
複数階層のBOMや工程ごとの作業時間の記録もサポートしており、製造現場の実務に即した運用ができます。


❓ バーコード・QRコードで入出庫処理できますか?

A. 可能です。バーコードやQRコードを使ったスキャン入力に標準で対応しています。
PCだけでなく、スマートフォンやタブレット、ハンディ端末からも読み取り可能で、入庫・出庫・棚卸作業をスピーディに処理できます。
ERPNext.JPでは日本語環境でのQR対応や棚札運用にも対応済みです。

営業・販売の課題

❓ 見積→受注→出荷→請求を一元管理できますか?

A. はい。ERPNextは販売フロー全体をシームレスに管理できます。
見積を承認するとそのまま受注へ変換し、在庫引当や出荷指示、請求書の発行まで自動的に連携します。
各ドキュメントは履歴としてリンクされるため、進捗やステータスをワンクリックで確認できます。


❓ 顧客情報を一元化して、過去取引をすぐ確認したい

A. ERPNextはCRM機能を標準で備えており、顧客ごとに見積・受注・請求・入金・サポート履歴を一元管理できます。
営業、経理、倉庫担当など複数部門が同じ顧客情報を共有できるため、社内での情報連携がスムーズになります。


❓ 顧客ポータルやWeb受注は可能ですか?

A. 可能です。ERPNextには標準で顧客ポータルがあり、取引先はWeb上で見積・注文状況・請求書を確認できます。
さらにeコマース機能を有効化すれば、B2B/B2C向けのオンラインショップを構築し、Webから直接受注を受けることも可能です。

カスタマイズ・拡張

❓ 外部サービス(EC、銀行、WMSなど)と連携できますか?

A. はい。ERPNextはREST APIを標準で公開しており、外部サービスとの連携が可能です。
実際の事例としては以下があります:

  • EC:Shopify、Amazon、楽天との受注データ連携
  • 銀行:入出金データのAPI/CSV取り込み
  • WMS:在庫・出荷情報との双方向連携
    これにより、ERPを中心にした「つながるシステム基盤」を構築できます。

❓ ワークフローを自社用にカスタマイズできますか?

A. 可能です。ERPNextのWorkflow機能を使えば、承認フローや状態遷移をGUIで自由に設定できます。
たとえば「見積は課長承認→部長承認→確定」のような段階承認や、経費申請、予算管理の承認ルートも柔軟に構築可能です。


❓ 社内の開発者が独自機能を追加できますか?

A. はい。ERPNextはFrappe Framework上に構築されており、PythonとJavaScriptを使って独自アプリや拡張機能を追加できます。
社内のエンジニアが既存機能を拡張したり、完全に新しいモジュールを開発したりすることも可能です。

さらに、コア部分を壊すことなく、独自機能を追加できる仕組みが標準で用意されています。 詳しくは、カスタムアプリ をご覧ください。


❓ 日本語化はどの程度進んでいますか?

A. ERPNext.JPでは、日本語翻訳を独自に強化しており、ほぼすべてのUIが日本語で利用可能です。
また、日本の商習慣(勘定科目体系、消費税区分、請求書フォーマットなど)に合わせて翻訳や用語調整が行われています。


❓ 外部サービスとの連携は簡単にできますか?

A. ERPNextのAPIドキュメントは整備されており、Webhooksやカスタムスクリプトを用いて比較的容易に連携を実装できます。
ERPNext.JPでは、よく利用される外部サービス(ECサイト・会計ソフト・銀行APIなど)との連携テンプレートや導入支援も提供しているため、専門知識がなくても実現しやすくなっています。

導入・運用の課題

❓ 初期設定にはどのくらいの時間がかかりますか?

A. 標準的な導入であれば、ERPNextの初期設定は1週間~1ヵ月程度で完了します。
会社情報・勘定科目・税率・商品・顧客などの基本マスタを整備すれば、利用開始することができます。


❓ データ移行のサポートはありますか?

A. はい。ERPNextには標準でCSVインポート機能があり、顧客・商品・仕訳などのデータを一括登録できます。
ERPNext.JPでは、既存システム(会計ソフト、販売管理、Excelなど)からのデータ移行支援を行っており、必要に応じて 並行稼働 → 段階的移行 のサポートも提供しています。


❓ データはどこに保存されますか?セキュリティは?

A. ERPNext.JPでは、国内クラウド(東京リージョン)にデータを保存しています。
通信はすべてSSL/TLSで暗号化され、定期的なバックアップやサーバー監視を実施しています。
さらに、アクセス制御や権限設定により、業務担当者ごとに必要最小限のデータにのみアクセスできる仕組みになっています。


❓ 導入後のサポートはどうなっていますか?

A. ERPNext.JPでは、導入後も安心して運用いただけるよう以下のサポートを提供しています:

  • メール・チャットでのQ&A対応
  • バージョンアップやセキュリティ更新の自動反映
  • オンラインマニュアルやFAQの提供
  • 必要に応じたカスタマイズ相談

「入れて終わり」ではなく、業務に合わせて活用を広げられるよう伴走型で支援します。


❓ 社員がITに不慣れでも使えますか?

A. はい。ERPNextは ExcelライクなUI を意識して設計されており、マスタ登録やデータ入力はスプレッドシート感覚で操作できます。
また、権限ごとに不要な機能を隠すことも可能なので、担当者は自分に必要な画面だけをシンプルに利用できます。
実際に、ITに不慣れなスタッフでも数日で基本操作に慣れるケースが多いです。


❓ 社外アクセスやセキュリティ対策はどうなっていますか?

A. ERPNext.JPはクラウドサービスのため、インターネット環境があればどこからでもアクセス可能です。
セキュリティ対策としては:

  • 二要素認証(2FA)
  • IPアドレス制限
  • ロールベースのアクセス制御
  • 操作ログの記録

といった仕組みを用意しており、社外からのアクセスも安全に行えます。


まとめ

ERPNext・ERPNext.JPは、

  • OSSならではの柔軟性
  • 日本企業向けカスタマイズ
  • 低コスト導入

を強みに、幅広い業務課題を解決できます。

👉 まずは実際に触ってみることが大切
ERPNext.JPでは 30日間無料トライアル を提供していますので、自社の業務フローにどれだけフィットするかを体感してみてください。

まだ疑問が残りますか?

この記事で解決しない疑問は、無料相談でお気軽にご質問ください。ERPNext導入の専門家が直接お答えします。