工程実績登録画面で解決する食品加工・製造現場の5つの課題

食品加工・製造現場の「Excel・紙・手書き」を卒業。オープンソースERPの工程実績登録画面で、目視チェック・品質記録・容器管理・トレーサビリティ・操作性の5つの課題を解決します。

15分

工程実績登録画面で解決する食品加工・製造現場の5つの課題


はじめに

食品加工や製造の現場でよく課題になるのが、目視チェック・紙の品質記録・容器管理・トレーサビリティ・システムの使いにくさ といった複雑な業務要件です。

  • 投入原材料のチェックは、紙のレシピ(配合表)と現物を見比べて目視確認
  • ロット管理・賞味期限管理は手書きノートで追いかけている
  • 異物混入や品質異常の写真は撮りっぱなし。どの工程・どのロットの写真か後から分からなくなる
  • 「タンク」「容器」「コンテナ」の中身がシステムで追えない
  • HACCPや取引先の監査対応で必要なトレーサビリティが、手作業だと追いつかない
  • 高額な専用システムは導入費用も維持費も手が出ない

そこで注目していただきたいのが、ERPNext.JP です。

海外で3万社以上に導入されているERPNextをベースに、
日本の食品加工・製造現場に合わせたカスタム画面を備えています。

オープンソースERPに現場向けの工程管理画面を足すことで、高額な専用システムに頼らず、食品加工・製造現場で"ちゃんと使える"工程管理を実現できます。

(月10万円でご利用頂けます。)


対応範囲 ── どの工程パターンに使えるのか

「気になるけど、うちの工程で使えるの?」 これが最初に知りたいポイントだと思います。

まずは対応範囲の全体像をご覧ください。

工程実績登録 — 対応範囲マトリクス

工程パターン別の対応状況

本システムの工程実績登録は、容器・パレット管理を中心とした現物追跡 に強みがあります。

✅ 完全対応している工程パターン

工程パターン食品加工の例製造業の例説明
加工・処理(1:1)加熱殺菌、冷凍、乾燥、発酵メッキ、熱処理、切削、塗装1つの容器(タンク・バット等)を投入し、処理後に1つの容器として生成。容器単位の加工処理を完全追跡
まとめ・分割(N:M)小分け充填、袋詰め、原料ブレンド後の分注切断、スリット、端材統合大容器から小容器への小分け、複数容器の統合など。容器間のまとめ・分割を完全追跡
組立(N品目→1)調合・配合(複数原材料 → 1製品)、弁当の盛付基板実装、ユニット組立、梱包複数品目の容器を投入して1つの製品を作る。配合表(BOM)で投入品目を自動チェック

○ 標準機能で対応可能な工程パターン

工程パターン食品加工の例製造業の例備考
連続・バッチ飲料の連続充填、ソースの大量仕込み化学、製薬バッチ単位の数量管理は標準対応。プロセスパラメータ(温度・時間等)の記録は機能追加で対応可

△ 拡張で対応可能な工程パターン

工程パターン具体例備考
個別受注(一品物)特注ケーキ、OEM受託加工 / 金型、試作品一品物の管理は標準対応。個別受注固有のカスタマイズが必要になる場合あり

管理レベル別の対応状況

管理の細かさについても、4段階で整理できます。

管理レベル対応状況食品加工での活用例
A. 数量管理のみ○〜△数量だけの管理は可能だが、本システムの真価は容器管理にある
B. ロット管理原材料ロットの追跡、親ロット→子ロットの分割追跡(大袋→小分け)、複数ロットの配合合流を管理
C. 容器・パレット管理本システムの中核タンク・バット・コンテナ・パレット単位で中身と状態を完全追跡。食品加工に最適
D. 個体シリアル管理個体追跡は可能だが容器管理が主体

できること・できないこと(率直に)

得意なこと: 容器(タンク・バット・箱・パレット等)を使って現物を管理している現場。「このタンクの中身は何か」「どの原材料からどの製品ができたか」を追いかけたい業務。食品加工業のロットトレーサビリティに特に強い。

👉 標準機能で足りること: ロット管理、数量管理、配合表(BOM)による投入品目チェック、品質記録(不良記録・検査・写真)、トレーサビリティ。

👉 カスタマイズが必要になる可能性があること: 連続生産プロセスでのパラメータ管理(温度・圧力・pH等)、賞味期限・消費期限の自動計算、アレルゲン管理の自動チェック、ERPの標準在庫との自動連動(本システムは「Shadow WIP」として独立動作するため、標準在庫との同期は別途設定が必要)。


では、具体的にどんな課題を解決できるのか、5つのポイントで見ていきましょう。


❶ 目視に頼らない、スキャンで現物確認

▶ Before

食品加工の現場では、レシピ(配合表)を見ながら原材料を目視で確認し、量りにかけて投入。品目の取り違えや配合ミスに気づくのは、味や見た目がおかしいと分かった後。工程の飛ばし(まだ殺菌工程を終えていない半製品を包装に回してしまう、など)も、人の注意力に頼るしかなかった。

▶ After — スキャンだけで「何を・いくつ・正しい順番で」をシステムが確認

製造指図のバーコードをスキャンすると、配合表(BOM)が自動展開され、「何をどれだけ投入すべきか」が画面に一覧表示されます。

原材料の容器をスキャンすると、システムが自動で以下をチェックします:

  • 品目チェック — 配合表の投入品目と一致しているか(砂糖と塩の取り違えを防止)
  • 数量チェック — 必要量に対する充足状況をリアルタイム更新(OK / 不足 / 過剰を色分け表示)
  • 工程順序チェック — 前工程(殺菌、冷却等)が完了しているか(前工程の完了日時を自動表示)
  • ロットチェック — 異なるロットの混入を自動ブロック

配合表に存在しない原材料が投入された場合は「未割当」として分離表示され、異常をその場で検知できます。

バーコードを貼れない食材・仕掛品にも対応

「うちの仕掛品にはバーコードを貼れない」という声もよく聞きます。本システムでは:

  • 容器ラベルの自動発行 — 発行ボタンひとつで、バーコード付きの容器シールPDFが自動生成。タンクやバットに貼るだけで、以降のすべてのスキャンに対応
  • 荷姿変換にも対応 — 例えば「1ケース12パック入り」のケースをスキャンすると自動で12パックとして計上するなど、梱包単位(UOM)ごとの係数変換に対応。大袋→小袋の充填や、原材料のケース単位投入にも便利

💡 ポイント: 投入品目の確認を「人の目視」から「システムの自動判定」へ。原材料の取り違え、配合ミス、工程飛ばしを、起きてから対処するのではなく、起きる前に防ぐ。これが"ポカヨケ"の仕組みです。


❷ 現場の情報をその場で吸い上げる

▶ Before

異物混入や変色が見つかっても「あとでまとめて書く」と後回しに。結局、いつ・どの工程で・何が・なぜ起きたかが曖昧になり、品質記録が正確に残らない。写真もスマホのカメラロールに埋もれて、「この写真はどのロットのものだっけ?」と探し回ることに。手書きの温度記録や作業メモも、ノートの中で眠ったまま。

▶ After — スマホ撮影 → 作業記録に自動紐づけ

画面右側から品質記録パネルがスライドインします。ファンクションキー(F5)一発で開き、作業を中断することなく品質情報を記録できます。

📸 スマホ写真の自動連携 — これが最大の特長

異物混入箇所や変色した製品の写真を撮りたいとき、画面の「写真取込を開始」ボタンを押すと、QRコードが表示されます。

  1. 画面にQRコードが出る
  2. 作業員が自分のスマートフォンでQRを読み取る
  3. スマホのカメラが起動 → 撮影
  4. 撮った写真が 数秒でPC画面にリアルタイム反映
  5. 写真は「どの設備で」「どの作業中に」「どのロットに対して」の情報と自動で紐づいて保存

専用カメラは不要。作業員の手持ちスマホがそのままカメラになります。

手書きメモの取り込みにも使えます。温度チェック表やCCP(重要管理点)の手書き記録、ノートに書いた申し送り事項も、スマホで撮影すれば、その作業のデジタル記録に写真として紐づきます。HACCP対応で求められる「記録の保存」を、紙をやめることなく、デジタルのバックアップとして蓄積できます。

🗑️ 不良・異常記録もその場で完結

異物混入や規格外品が出たら、その場で3ステップの選択式入力:

  1. 異常の種類 — ボタン式で選択(異物混入、変色、異臭、規格外 等)
  2. 原因 — 種類に紐づく選択肢が自動表示
  3. 程度 — 軽微 / 中程度 / 重大

自由記述ではなく選択式なので、データが統一フォーマットで蓄積されます。「今日は何件異常が出たか」「この設備で異物混入が多いのでは」といった集計・分析がそのまま可能に。

🔍 検査記録

品目に紐づいた検査項目(Brix値、pH、水分量、一般生菌数 等)が自動で読み込まれ、OK/NGボタンや数値入力で記録。許容範囲との自動照合機能もあります。

💡 ポイント: 「後でまとめて書く」から「発生した瞬間に記録する」へ。特にスマホ写真の自動紐づけは、撮るだけでロット・工程と紐づいた記録が完成する画期的なしくみ。HACCP記録の運用負荷を大幅に下げます。


❸ タンク・容器・箱の単位で管理できる

▶ Before

ERPの在庫管理は「品目×倉庫×数量」が基本。でも食品加工の現場では「同じスープでも、タンクAの分とタンクBの分は仕込み日が違う」「この冷蔵庫のコンテナはまだ半分残っている」が重要。容器の中身や状態をホワイトボードやExcelで管理していた。

▶ After — 容器を"見える単位"としてシステムに取り込む

本システムでは、容器(タンク・バット・コンテナ・箱・パレットなど)を管理単位のひとつ として扱います。

ロット管理に加えて、容器管理でレベルアップ

従来のロット管理はそのまま活きます。容器管理はその上に重なる「追加の管理レイヤー」です。

観点ロット管理のみロット + 容器管理
在庫の粒度「ロットAが50kg」「ロットAのタンクT-001に20kg、バットB-002に15kg、コンテナC-003に15kg」
部分使用ロット全体の残量で管理容器ごとの残量をリアルタイム更新。「このタンクはまだ半分残っている」が正確にわかる
先入先出仕込み日ベースの推定容器IDベースの確定。どのタンクの分から先に使ったかが確実に記録される
所在把握ロットがどこにあるか容器がどの工程にあるか、どの冷蔵庫に保管中か
棚卸しの正確性帳簿上のロット残量容器を確認すれば中身がわかる。物理的な実態とシステム上の数量が一致

容器の状態がひと目でわかる

容器には明確な状態があります:

状態食品加工での例
使用可能仕込み済みで次の工程に投入できる状態
加工中調合タンクに投入中(まだ使い切っていない状態)
消費済み全量使い切った状態

部分的に使った容器は「加工中」状態のまま残量を保持し、続きを別のタイミングで使い切ることもできます。「このタンクの調味料はまだ3kg残っている」がシステム上で正確に反映されます。

容器ラベルの自動発行

登録時にバーコード付きの容器シールPDFが自動生成されます。プリンタで出力してタンクやコンテナに貼れば、以降のすべての工程でスキャンによる追跡が可能になります。再発行もワンクリック。

💡 ポイント: 「品目×倉庫」の平面的な管理から、「タンクひとつひとつ、箱ひとつひとつの中身が見える」立体的な管理へ。食品加工で求められる「仕込み単位の追跡」「容器単位の先入先出」が自然に実現します。


❹ トレーサビリティを自動で構築する

▶ Before

「どの原材料ロットから、どの製品ができたか」の記録は、手書きノートやExcelに依存。取引先や保健所からのトレーサビリティ照会に対して、膨大なノートをめくり、何時間もかけて回答していた。HACCP計画上も記録の一元管理が求められるが、紙と口頭の伝達では限界がある。

▶ After — 投入と生成の関係を自動記録

作業を確定すると、投入した容器群 ↔ 生成した容器群の紐づけが自動で記録されます。

紐づけ方式は設備ごとに設定でき、工程の性質に合わせて選べます:

方式動き食品加工での用途例
先入先出(FIFO)先に投入した容器から順に割当仕込み→充填ライン、包装工程
後入先出(LIFO)後に投入した容器から順に割当タンク上部から取り出す工程
混合(MIX)全投入 × 全生成を相互紐づけ調合・配合タンクでの混合、スープの仕込み

この記録は 変更できない監査ログ として保存されます。後から改ざんすることはできません。

食品加工で特に重要な理由

  • リコール対応: 原材料ロットに問題が発覚した場合、「そのロットを使った製品はどれか」を数クリックで特定。影響範囲の把握が数時間→数分に
  • 取引先への照会回答: 「御社の製品ロットXXXに使われた原材料のロットを教えてください」という照会に、システムから即座に回答
  • HACCP記録との紐づけ: 各工程のCCP記録が自動的に容器・ロットと紐づくため、記録の一元管理が実現

容器引継ぎ機能をONにすれば、投入容器のIDとロットを生成容器にそのまま引き継ぐことも可能です。同じ容器IDで工程をまたいで追跡でき、「この最終製品はどの原材料から作られたか」を瞬時に遡れます。

💡 ポイント: トレーサビリティの照会対応を「ノートをめくる作業」から「システムへの問い合わせ」へ。リコール時の影響範囲特定が数分で完了し、取引先や監査への対応力が格段に上がります。


❺ スキャナーとファンクションキーだけで使える

▶ Before

高機能なシステムを導入したものの、画面が複雑すぎてパートの方やベテラン作業員が使いこなせない。「間違えたら取り消せないのでは」という不安でシステム入力を後回しにする文化が定着。結局、紙の台帳が残り、二重管理に。

▶ After — スキャンで進む・キーで操作・やり直しも簡単

🔫 基本操作はすべてバーコードスキャン

作業台に貼ったバーコードシートをスキャンするだけで、各操作が実行されます。キーボードに触る必要も、マウスも不要

作業フローの全体像:

設備ログイン → 製造指図スキャン → 原材料容器スキャン(繰り返し)
→ 完了スキャン → ラベル自動発行 → 次の作業へ

梱包検品画面と同様に、「完了」「保留」「キャンセル」「問題報告」なども専用のコマンドバーコードをスキャンするだけ。作業員はスキャナーを握ったまま、一連の操作を完結できます。手袋をしたままでも操作でき、食品加工の衛生環境にも適しています。

⌨️ ファンクションキーによるショートカット

頻度の高い操作はファンクションキーに割当済みです:

キー操作
F3登録準備(生成容器の入数・容器数を確定)
F4容器発行(ラベルPDF出力)
F5品質記録パネルを開く
F6一括発行
F7残材登録
F8作業完了(リセットして次の作業へ)
F9検査登録

🔄 間違えてもやり直せる — 現場の「あっ」に対応

「間違えたらどうしよう」がなくなるのが大きい。3段階のやり直しを用意しています:

やり直しの段階よくある場面できること
①投入の取消間違った原材料をスキャンした取消ボタンで容器を戻す。数量も復元
②発行前の削除入数や容器数を間違えた発行前なら予定行を削除して再入力
③直前の作業取消発行(確定)してしまった後続の作業がまだなら、丸ごと取消可能。容器を削除し投入も復元

ただし、確定済みで後続の作業に使われている容器は取消不可。すでに確定したトレーサビリティは壊さない安全設計です。取消した場合も、記録は「取消済み」として残り、監査証跡は保持されます。

💪 ブラウザが落ちても大丈夫

設備ログインはサーバー側で保持されているため、ブラウザがクラッシュしたり、タブを閉じてしまっても、同じユーザーで再ログインすれば作業途中の状態がすべて復元されます。

💡 ポイント: 「スキャナーだけで操作できる」「間違えてもやり直せる」「止まっても復帰できる」。この3つが揃っているから、パートの方もベテランも怖がらずに使える


まとめ

課題この画面の解決策
❶ 目視チェック頼りスキャンによる自動判定+ポカヨケ+荷姿変換対応
❷ 現場の情報が残らないスマホQR写真+選択式不良記録+検査テンプレ
❸ 容器で追えないタンク・箱・パレット単位の管理+ラベル自動発行
❹ トレーサビリティが手作業投入↔生成の自動紐づけ+監査ログ+リコール対応
❺ システムが使いにくいスキャナー操作+ファンクションキー+やり直し+復帰

本記事で紹介した工程実績登録画面は、ERPNext(オープンソースERP)の上に構築された現場向けのカスタム画面です。ERPNext自体は無料で利用でき、購買・販売・在庫・会計といった基幹業務と自然に連携します。

加工工程と組立・配合工程で共通の操作部品(設備ログイン / 容器発行テーブル / 品質記録パネル / フッター操作)を共有しているため、工程が増えても同じ操作感で展開できます。

「高額な専用システムを買うか、Excelで我慢するか」の二者択一ではなく、オープンソースERPに現場画面を足すという第三の選択肢。 コストを抑えながら、食品加工・製造現場で"ちゃんと使える"システムを手に入れる。 それがオープンソースERPの「現実解」です。


👉 まずは 無料トライアル で実際に操作し、 自社の食品加工・製造業務にどの程度フィットするかをぜひご体験ください。

まだ疑問が残りますか?

この記事で解決しない疑問は、無料相談でお気軽にご質問ください。ERPNext導入の専門家が直接お答えします。