工程実績登録画面で解決する食品加工・製造現場の5つの課題
食品加工・製造現場の「Excel・紙・手書き」を卒業。オープンソースERPの工程実績登録画面で、目視チェック・品質記録・容器管理・トレーサビリティ・操作性の5つの課題を解決します。

はじめに
食品加工や製造の現場でよく課題になるのが、目視チェック・紙の品質記録・容器管理・トレーサビリティ・システムの使いにくさ といった複雑な業務要件です。
- 投入原材料のチェックは、紙のレシピ(配合表)と現物を見比べて目視確認
- ロット管理・賞味期限管理は手書きノートで追いかけている
- 異物混入や品質異常の写真は撮りっぱなし。どの工程・どのロットの写真か後から分からなくなる
- 「タンク」「容器」「コンテナ」の中身がシステムで追えない
- HACCPや取引先の監査対応で必要なトレーサビリティが、手作業だと追いつかない
- 高額な専用システムは導入費用も維持費も手が出ない
そこで注目していただきたいのが、ERPNext.JP です。
海外で3万社以上に導入されているERPNextをベースに、
日本の食品加工・製造現場に合わせたカスタム画面を備えています。
オープンソースERPに現場向けの工程管理画面を足すことで、高額な専用システムに頼らず、食品加工・製造現場で"ちゃんと使える"工程管理を実現できます。
(月10万円でご利用頂けます。)
対応範囲 ── どの工程パターンに使えるのか
「気になるけど、うちの工程で使えるの?」 これが最初に知りたいポイントだと思います。
まずは対応範囲の全体像をご覧ください。

工程パターン別の対応状況
本システムの工程実績登録は、容器・パレット管理を中心とした現物追跡 に強みがあります。
✅ 完全対応している工程パターン
| 工程パターン | 食品加工の例 | 製造業の例 | 説明 |
|---|---|---|---|
| 加工・処理(1:1) | 加熱殺菌、冷凍、乾燥、発酵 | メッキ、熱処理、切削、塗装 | 1つの容器(タンク・バット等)を投入し、処理後に1つの容器として生成。容器単位の加工処理を完全追跡 |
| まとめ・分割(N:M) | 小分け充填、袋詰め、原料ブレンド後の分注 | 切断、スリット、端材統合 | 大容器から小容器への小分け、複数容器の統合など。容器間のまとめ・分割を完全追跡 |
| 組立(N品目→1) | 調合・配合(複数原材料 → 1製品)、弁当の盛付 | 基板実装、ユニット組立、梱包 | 複数品目の容器を投入して1つの製品を作る。配合表(BOM)で投入品目を自動チェック |
○ 標準機能で対応可能な工程パターン
| 工程パターン | 食品加工の例 | 製造業の例 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 連続・バッチ | 飲料の連続充填、ソースの大量仕込み | 化学、製薬 | バッチ単位の数量管理は標準対応。プロセスパラメータ(温度・時間等)の記録は機能追加で対応可 |
△ 拡張で対応可能な工程パターン
| 工程パターン | 具体例 | 備考 |
|---|---|---|
| 個別受注(一品物) | 特注ケーキ、OEM受託加工 / 金型、試作品 | 一品物の管理は標準対応。個別受注固有のカスタマイズが必要になる場合あり |
管理レベル別の対応状況
管理の細かさについても、4段階で整理できます。
| 管理レベル | 対応状況 | 食品加工での活用例 |
|---|---|---|
| A. 数量管理のみ | ○〜△ | 数量だけの管理は可能だが、本システムの真価は容器管理にある |
| B. ロット管理 | ○ | 原材料ロットの追跡、親ロット→子ロットの分割追跡(大袋→小分け)、複数ロットの配合合流を管理 |
| C. 容器・パレット管理 | ✅ 本システムの中核 | タンク・バット・コンテナ・パレット単位で中身と状態を完全追跡。食品加工に最適 |
| D. 個体シリアル管理 | △ | 個体追跡は可能だが容器管理が主体 |
できること・できないこと(率直に)
得意なこと: 容器(タンク・バット・箱・パレット等)を使って現物を管理している現場。「このタンクの中身は何か」「どの原材料からどの製品ができたか」を追いかけたい業務。食品加工業のロットトレーサビリティに特に強い。
👉 標準機能で足りること: ロット管理、数量管理、配合表(BOM)による投入品目チェック、品質記録(不良記録・検査・写真)、トレーサビリティ。
👉 カスタマイズが必要になる可能性があること: 連続生産プロセスでのパラメータ管理(温度・圧力・pH等)、賞味期限・消費期限の自動計算、アレルゲン管理の自動チェック、ERPの標準在庫との自動連動(本システムは「Shadow WIP」として独立動作するため、標準在庫との同期は別途設定が必要)。
では、具体的にどんな課題を解決できるのか、5つのポイントで見ていきましょう。
❶ 目視に頼らない、スキャンで現物確認
▶ Before
食品加工の現場では、レシピ(配合表)を見ながら原材料を目視で確認し、量りにかけて投入。品目の取り違えや配合ミスに気づくのは、味や見た目がおかしいと分かった後。工程の飛ばし(まだ殺菌工程を終えていない半製品を包装に回してしまう、など)も、人の注意力に頼るしかなかった。
▶ After — スキャンだけで「何を・いくつ・正しい順番で」をシステムが確認
製造指図のバーコードをスキャンすると、配合表(BOM)が自動展開され、「何をどれだけ投入すべきか」が画面に一覧表示されます。
原材料の容器をスキャンすると、システムが自動で以下をチェックします:
- ✅ 品目チェック — 配合表の投入品目と一致しているか(砂糖と塩の取り違えを防止)
- ✅ 数量チェック — 必要量に対する充足状況をリアルタイム更新(OK / 不足 / 過剰を色分け表示)
- ✅ 工程順序チェック — 前工程(殺菌、冷却等)が完了しているか(前工程の完了日時を自動表示)
- ✅ ロットチェック — 異なるロットの混入を自動ブロック
配合表に存在しない原材料が投入された場合は「未割当」として分離表示され、異常をその場で検知できます。
バーコードを貼れない食材・仕掛品にも対応
「うちの仕掛品にはバーコードを貼れない」という声もよく聞きます。本システムでは:
- 容器ラベルの自動発行 — 発行ボタンひとつで、バーコード付きの容器シールPDFが自動生成。タンクやバットに貼るだけで、以降のすべてのスキャンに対応
- 荷姿変換にも対応 — 例えば「1ケース12パック入り」のケースをスキャンすると自動で12パックとして計上するなど、梱包単位(UOM)ごとの係数変換に対応。大袋→小袋の充填や、原材料のケース単位投入にも便利
💡 ポイント: 投入品目の確認を「人の目視」から「システムの自動判定」へ。原材料の取り違え、配合ミス、工程飛ばしを、起きてから対処するのではなく、起きる前に防ぐ。これが"ポカヨケ"の仕組みです。
❷ 現場の情報をその場で吸い上げる
▶ Before
異物混入や変色が見つかっても「あとでまとめて書く」と後回しに。結局、いつ・どの工程で・何が・なぜ起きたかが曖昧になり、品質記録が正確に残らない。写真もスマホのカメラロールに埋もれて、「この写真はどのロットのものだっけ?」と探し回ることに。手書きの温度記録や作業メモも、ノートの中で眠ったまま。
▶ After — スマホ撮影 → 作業記録に自動紐づけ
画面右側から品質記録パネルがスライドインします。ファンクションキー(F5)一発で開き、作業を中断することなく品質情報を記録できます。
📸 スマホ写真の自動連携 — これが最大の特長
異物混入箇所や変色した製品の写真を撮りたいとき、画面の「写真取込を開始」ボタンを押すと、QRコードが表示されます。
- 画面にQRコードが出る
- 作業員が自分のスマートフォンでQRを読み取る
- スマホのカメラが起動 → 撮影
- 撮った写真が 数秒でPC画面にリアルタイム反映
- 写真は「どの設備で」「どの作業中に」「どのロットに対して」の情報と自動で紐づいて保存
専用カメラは不要。作業員の手持ちスマホがそのままカメラになります。
手書きメモの取り込みにも使えます。温度チェック表やCCP(重要管理点)の手書き記録、ノートに書いた申し送り事項も、スマホで撮影すれば、その作業のデジタル記録に写真として紐づきます。HACCP対応で求められる「記録の保存」を、紙をやめることなく、デジタルのバックアップとして蓄積できます。
🗑️ 不良・異常記録もその場で完結
異物混入や規格外品が出たら、その場で3ステップの選択式入力:
- 異常の種類 — ボタン式で選択(異物混入、変色、異臭、規格外 等)
- 原因 — 種類に紐づく選択肢が自動表示
- 程度 — 軽微 / 中程度 / 重大
自由記述ではなく選択式なので、データが統一フォーマットで蓄積されます。「今日は何件異常が出たか」「この設備で異物混入が多いのでは」といった集計・分析がそのまま可能に。
🔍 検査記録
品目に紐づいた検査項目(Brix値、pH、水分量、一般生菌数 等)が自動で読み込まれ、OK/NGボタンや数値入力で記録。許容範囲との自動照合機能もあります。
💡 ポイント: 「後でまとめて書く」から「発生した瞬間に記録する」へ。特にスマホ写真の自動紐づけは、撮るだけでロット・工程と紐づいた記録が完成する画期的なしくみ。HACCP記録の運用負荷を大幅に下げます。
❸ タンク・容器・箱の単位で管理できる
▶ Before
ERPの在庫管理は「品目×倉庫×数量」が基本。でも食品加工の現場では「同じスープでも、タンクAの分とタンクBの分は仕込み日が違う」「この冷蔵庫のコンテナはまだ半分残っている」が重要。容器の中身や状態をホワイトボードやExcelで管理していた。
▶ After — 容器を"見える単位"としてシステムに取り込む
本システムでは、容器(タンク・バット・コンテナ・箱・パレットなど)を管理単位のひとつ として扱います。
ロット管理に加えて、容器管理でレベルアップ
従来のロット管理はそのまま活きます。容器管理はその上に重なる「追加の管理レイヤー」です。
| 観点 | ロット管理のみ | ロット + 容器管理 |
|---|---|---|
| 在庫の粒度 | 「ロットAが50kg」 | 「ロットAのタンクT-001に20kg、バットB-002に15kg、コンテナC-003に15kg」 |
| 部分使用 | ロット全体の残量で管理 | 容器ごとの残量をリアルタイム更新。「このタンクはまだ半分残っている」が正確にわかる |
| 先入先出 | 仕込み日ベースの推定 | 容器IDベースの確定。どのタンクの分から先に使ったかが確実に記録される |
| 所在把握 | ロットがどこにあるか | 容器がどの工程にあるか、どの冷蔵庫に保管中か |
| 棚卸しの正確性 | 帳簿上のロット残量 | 容器を確認すれば中身がわかる。物理的な実態とシステム上の数量が一致 |
容器の状態がひと目でわかる
容器には明確な状態があります:
| 状態 | 食品加工での例 |
|---|---|
| 使用可能 | 仕込み済みで次の工程に投入できる状態 |
| 加工中 | 調合タンクに投入中(まだ使い切っていない状態) |
| 消費済み | 全量使い切った状態 |
部分的に使った容器は「加工中」状態のまま残量を保持し、続きを別のタイミングで使い切ることもできます。「このタンクの調味料はまだ3kg残っている」がシステム上で正確に反映されます。
容器ラベルの自動発行
登録時にバーコード付きの容器シールPDFが自動生成されます。プリンタで出力してタンクやコンテナに貼れば、以降のすべての工程でスキャンによる追跡が可能になります。再発行もワンクリック。
💡 ポイント: 「品目×倉庫」の平面的な管理から、「タンクひとつひとつ、箱ひとつひとつの中身が見える」立体的な管理へ。食品加工で求められる「仕込み単位の追跡」「容器単位の先入先出」が自然に実現します。
❹ トレーサビリティを自動で構築する
▶ Before
「どの原材料ロットから、どの製品ができたか」の記録は、手書きノートやExcelに依存。取引先や保健所からのトレーサビリティ照会に対して、膨大なノートをめくり、何時間もかけて回答していた。HACCP計画上も記録の一元管理が求められるが、紙と口頭の伝達では限界がある。
▶ After — 投入と生成の関係を自動記録
作業を確定すると、投入した容器群 ↔ 生成した容器群の紐づけが自動で記録されます。
紐づけ方式は設備ごとに設定でき、工程の性質に合わせて選べます:
| 方式 | 動き | 食品加工での用途例 |
|---|---|---|
| 先入先出(FIFO) | 先に投入した容器から順に割当 | 仕込み→充填ライン、包装工程 |
| 後入先出(LIFO) | 後に投入した容器から順に割当 | タンク上部から取り出す工程 |
| 混合(MIX) | 全投入 × 全生成を相互紐づけ | 調合・配合タンクでの混合、スープの仕込み |
この記録は 変更できない監査ログ として保存されます。後から改ざんすることはできません。
食品加工で特に重要な理由
- リコール対応: 原材料ロットに問題が発覚した場合、「そのロットを使った製品はどれか」を数クリックで特定。影響範囲の把握が数時間→数分に
- 取引先への照会回答: 「御社の製品ロットXXXに使われた原材料のロットを教えてください」という照会に、システムから即座に回答
- HACCP記録との紐づけ: 各工程のCCP記録が自動的に容器・ロットと紐づくため、記録の一元管理が実現
容器引継ぎ機能をONにすれば、投入容器のIDとロットを生成容器にそのまま引き継ぐことも可能です。同じ容器IDで工程をまたいで追跡でき、「この最終製品はどの原材料から作られたか」を瞬時に遡れます。
💡 ポイント: トレーサビリティの照会対応を「ノートをめくる作業」から「システムへの問い合わせ」へ。リコール時の影響範囲特定が数分で完了し、取引先や監査への対応力が格段に上がります。
❺ スキャナーとファンクションキーだけで使える
▶ Before
高機能なシステムを導入したものの、画面が複雑すぎてパートの方やベテラン作業員が使いこなせない。「間違えたら取り消せないのでは」という不安でシステム入力を後回しにする文化が定着。結局、紙の台帳が残り、二重管理に。
▶ After — スキャンで進む・キーで操作・やり直しも簡単
🔫 基本操作はすべてバーコードスキャン
作業台に貼ったバーコードシートをスキャンするだけで、各操作が実行されます。キーボードに触る必要も、マウスも不要。
作業フローの全体像:
設備ログイン → 製造指図スキャン → 原材料容器スキャン(繰り返し)
→ 完了スキャン → ラベル自動発行 → 次の作業へ
梱包検品画面と同様に、「完了」「保留」「キャンセル」「問題報告」なども専用のコマンドバーコードをスキャンするだけ。作業員はスキャナーを握ったまま、一連の操作を完結できます。手袋をしたままでも操作でき、食品加工の衛生環境にも適しています。
⌨️ ファンクションキーによるショートカット
頻度の高い操作はファンクションキーに割当済みです:
| キー | 操作 |
|---|---|
| F3 | 登録準備(生成容器の入数・容器数を確定) |
| F4 | 容器発行(ラベルPDF出力) |
| F5 | 品質記録パネルを開く |
| F6 | 一括発行 |
| F7 | 残材登録 |
| F8 | 作業完了(リセットして次の作業へ) |
| F9 | 検査登録 |
🔄 間違えてもやり直せる — 現場の「あっ」に対応
「間違えたらどうしよう」がなくなるのが大きい。3段階のやり直しを用意しています:
| やり直しの段階 | よくある場面 | できること |
|---|---|---|
| ①投入の取消 | 間違った原材料をスキャンした | 取消ボタンで容器を戻す。数量も復元 |
| ②発行前の削除 | 入数や容器数を間違えた | 発行前なら予定行を削除して再入力 |
| ③直前の作業取消 | 発行(確定)してしまった | 後続の作業がまだなら、丸ごと取消可能。容器を削除し投入も復元 |
ただし、確定済みで後続の作業に使われている容器は取消不可。すでに確定したトレーサビリティは壊さない安全設計です。取消した場合も、記録は「取消済み」として残り、監査証跡は保持されます。
💪 ブラウザが落ちても大丈夫
設備ログインはサーバー側で保持されているため、ブラウザがクラッシュしたり、タブを閉じてしまっても、同じユーザーで再ログインすれば作業途中の状態がすべて復元されます。
💡 ポイント: 「スキャナーだけで操作できる」「間違えてもやり直せる」「止まっても復帰できる」。この3つが揃っているから、パートの方もベテランも怖がらずに使える。
まとめ
| 課題 | この画面の解決策 |
|---|---|
| ❶ 目視チェック頼り | スキャンによる自動判定+ポカヨケ+荷姿変換対応 |
| ❷ 現場の情報が残らない | スマホQR写真+選択式不良記録+検査テンプレ |
| ❸ 容器で追えない | タンク・箱・パレット単位の管理+ラベル自動発行 |
| ❹ トレーサビリティが手作業 | 投入↔生成の自動紐づけ+監査ログ+リコール対応 |
| ❺ システムが使いにくい | スキャナー操作+ファンクションキー+やり直し+復帰 |
本記事で紹介した工程実績登録画面は、ERPNext(オープンソースERP)の上に構築された現場向けのカスタム画面です。ERPNext自体は無料で利用でき、購買・販売・在庫・会計といった基幹業務と自然に連携します。
加工工程と組立・配合工程で共通の操作部品(設備ログイン / 容器発行テーブル / 品質記録パネル / フッター操作)を共有しているため、工程が増えても同じ操作感で展開できます。
「高額な専用システムを買うか、Excelで我慢するか」の二者択一ではなく、オープンソースERPに現場画面を足すという第三の選択肢。 コストを抑えながら、食品加工・製造現場で"ちゃんと使える"システムを手に入れる。 それがオープンソースERPの「現実解」です。
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