工程別原価転がし可視化

先入先出(FIFO)で工程をまたいで積み上がっていく原価の流れを、製品ラインごとに可視化する画面です。工程フロー・棒グラフ・ウォーターフォール表・ロット内訳で、原価がどこで増えたかをひと目で追えます。

8分
最終更新: 2026年6月2日
中級
月次原価原価転がしFIFO工程別ウォーターフォール

関連記事 この画面は 原価計算ワークベンチ で計算した結果を、工程をまたいだ「原価の積み上がり」として見るための画面です。 工程ごとの残高評価は 工程別仕掛品評価、検算は 検算・差額レビュー、月次原価の全体像は 月次原価計算 を参照してください。

この画面でできること

工程別原価転がし可視化は、先入先出(FIFO)で工程から工程へ積み上がっていく原価の流れを、製品ラインごとに目で追える画面です。

  • 製品(完成品)ラインごとに、工程フロー(第1工程 → 第2工程 → … → 完成)と各工程の原価を表示します
  • 各工程の原価を**材料費(DM)・労務費(DL)・経費(OH)**の積み上げ棒グラフで比較します
  • 原価が工程ごとにどう累積するかをウォーターフォール表(累計+当工程の追加分)で確認します
  • FIFO のロット単位まで掘り下げ、**高コストロット(異常値)**を自動でハイライトします

画面URL: /app/costing-fifo-flow

工程別原価転がし可視化画面

誰が何のために使うか

担当主な使い方
原価管理担当どの工程で原価が積み上がるか、異常に高いロットがないかを特定する
生産管理工程ごとの投入・消費数量と単価のバランスを確認する
経営製品ラインごとの累計原価と、材料費・労務費・経費の構成比を把握する

用語:原価転がしは、ある工程の原価を次工程へ引き継ぎながら積み上げていく原価計算方式、**FIFO(先入先出)**は先に投入したロットから順に消費する前提を指します。


画面の全体像

この画面は、原価計算ワークベンチで選んだ対象期間に対して開きます。期間が選ばれていない場合は「期間が指定されていません。」と表示されるため、先に 原価計算ワークベンチ で対象月を選んでから開いてください。

上部のコントロールとサマリー

要素内容
型番 セレクタ表示する完成品(最終品)を絞り込みます(全型番/個別)
CSV出力表示中の転がしデータを CSV でダウンロードします
サマリー:製品ライン数表示中の製品ライン(完成品)の数
サマリー:FIFOロット数転がしに使われた FIFO ロットの総数
サマリー:原価総額表示中の原価総額

製品ラインカード

完成品ごとに 1 枚のカードが並びます。カードのヘッダには、サムネイル・型番名・工程数・ロット数・原価要素のミニバー・累計原価が表示され、クリックで展開/折りたたみできます。


カードを展開すると見えるもの

製品ラインカードを開くと、原価の流れを 4 つの切り口で確認できます。

1. 原価要素の棒グラフ

工程ごとの原価を、材料費(DM・青)・労務費(DL・橙)・経費(OH・紫)の積み上げ縦棒で並べます。工程が進むにつれて棒がどう伸びるかで、原価が積み上がる様子を視覚的に追えます。単価表示への切り替えにも対応しています。

2. 工程フロー(工程カード)

「第1工程 → 第2工程 → … → ✓(最終工程)」と、工程カードが矢印でつながって並びます。各カードには工程名・コード・数量(消費数量)・原価要素の内訳バー・工程原価・単価が表示されます。単価が工程平均から大きく外れたロットがあると「⚠ N件の高コストロット」のバッジが出ます。

3. 原価積み上がり(ウォーターフォール表)

工程を列、原価要素(材料費・労務費・経費)を行にとった表です。各セルはその工程までの累計を示し、その下に「うち当工程」(その工程で追加された分)が表示されます。セルをクリックすると、その工程・要素のロット内訳を確認できます。

4. ロット内訳と異常値ハイライト

工程ごとに FIFO のロット単位まで展開できます。期首ロット・稼働ロットを色分けし、工程平均から大きく単価が乖離したロット(高コストロット)を赤でハイライトします。これにより「どのロットが原価を押し上げたか」を特定できます。

このほか、材料の内訳(どの材料がどれだけ原価を占めるか)を工程ごとに展開して確認することもできます。


基本的な操作

1. 対象月を選んで開く

原価計算ワークベンチ で対象月を選び、本画面を開きます。選択中の期間バッジが上部に表示されます。

2. 型番を絞り込む

特定の製品に注目したいときは、上部の「型番」セレクタで完成品を選びます。全型番のままなら、すべての製品ラインが並びます。

3. 製品ラインを展開する

注目したい製品ラインカードのヘッダをクリックして展開します。棒グラフ・工程フロー・ウォーターフォール表が表示されます。

4. 原価が増えた工程を特定する

ウォーターフォール表の「うち当工程」を見れば、どの工程でどの原価要素が増えたかが分かります。原価が急増している工程に注目します。

5. 異常ロットを掘り下げる

「⚠ N件の高コストロット」が出ている工程や、ウォーターフォール表の気になるセルをクリックして、ロット内訳を確認します。赤くハイライトされたロットが、原価を押し上げた要因です。

6. 必要なら CSV 出力する

詳細分析や共有のため、表示中の転がしデータを「CSV出力」でダウンロードできます。


活用のヒント

  • 「うち当工程」で原因工程を特定:累計だけを見ると原価増の原因工程が分かりにくいので、「うち当工程」の行で工程別の増分を確認しましょう。
  • 異常ロットは現場の問題のサイン:高コストロットの赤ハイライトは、特定ロットの歩留まり悪化・材料ロス・段取り増などのサインです。検算・差額レビュー のパレート分析と組み合わせると原因究明が進みます。
  • 棒グラフで構成比を掴む:材料費中心か労務費中心かが棒グラフの色で一目で分かります。製品ラインの原価体質の把握に役立ちます。

よくある質問

Q: 転がしデータがありませんと表示されます

その期間の原価計算がまだ実行されていない可能性があります。先に 原価計算ワークベンチ で計算を実行してください。

Q: 「高コストロット」はどう判定されていますか?

各工程のロット単価が、その工程の平均単価から一定割合以上に上振れしているロットを高コストロットとして検出し、赤でハイライトしています。あくまで相対的な目安として、現場確認のきっかけに使ってください。

Q: ウォーターフォール表の数字が工程ごとに増えていきます

これは正常です。各セルは「その工程までの累計原価」を示すため、工程が進むほど数字が積み上がります。各工程で増えた分は「うち当工程」の行で確認できます。

Q: 工程フローの最後に ✓ が出ています

✓ はその製品ラインの最終工程(完成)を示します。番号ではなくチェックで表示されます。


次のステップ

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