期首仕掛品入力
月次原価計算の出発点となる「期首の仕掛品(期首 WIP)残高」を確認・登録する画面です。前月の期末残高をワンクリックで当月の期首残高へ繰り越せます。

関連記事 この画面は 原価計算ワークベンチ の「対象月を選ぶ → 計算する」の前段にあたります。期首 WIP が入っていないと、当月の原価計算は正しく積み上がりません。 計算後の工程別残高は 工程別仕掛品評価、月次原価の全体像は 月次原価計算 を参照してください。
この画面でできること
期首仕掛品入力は、当月の原価計算をはじめる前に「月初時点で工程に残っている仕掛品(WIP)」の残高をそろえるための画面です。
- 前月の期末仕掛品残高を、当月の期首残高としてワンクリックで繰り越します(前月繰越)
- 工程・型番ごとの期首残高(数量・DM/DL/OH の原価要素)を表で確認します
- 期首残高レコードの状態(Draft/Confirmed)・確認日時・確認者を確認します
画面URL: /app/costing-opening-wip

誰が何のために使うか
| 担当 | 主な使い方 |
|---|---|
| 経理担当 | 月次原価計算の前に、前月末の仕掛品を当月期首へ繰り越す |
| 原価管理担当 | 工程×型番ごとの期首残高(数量・原価要素)が妥当かを確認する |
| 生産管理 | 月初時点で各工程に残っている仕掛品の数量を把握する |
用語:WIP(Work In Process)は「仕掛品」、期首 WIP は「月初時点でまだ完成していない仕掛品の残高」を指します。
画面の全体像
この画面は、原価計算ワークベンチで選んだ**対象期間(原価期間)**に対して開きます。期間が選ばれていない場合は「期間が指定されていません。ワークベンチから選択してください。」と表示されるため、先に 原価計算ワークベンチ で対象月を選んでから開いてください。
画面は上部の操作ボタンと、下部の期首残高テーブルで構成されます。
操作ボタン
| ボタン | 役割 |
|---|---|
| 前月繰越 | 前月の期末仕掛品残高を、当月の期首残高としてセットします |
| Opening WIP Balance 一覧 | 期首仕掛品残高(Opening WIP Balance)レコードの一覧画面へ移動します |
期首残高テーブルの列
| 列 | 内容 |
|---|---|
| 工程 | 仕掛品が滞留している工程(WIP)の名称・コード |
| 型番 | その仕掛品が最終的に完成する完成品(最終品)の型番・コード |
| 数量 | 期首時点の仕掛品数量 |
| DM原価 | 期首残高のうち材料費(Direct Material)部分 |
| DL原価 | 期首残高のうち労務費(Direct Labor)部分 |
| OH原価 | 期首残高のうち経費・間接費(Overhead)部分 |
| 合計 | DM+DL+OH の合計金額 |
最下段の合計行には、すべての工程×型番を合算した数量・各原価要素・総額が表示されます。
状態(ステータス)の意味
テーブル上部のバッジで、期首残高レコードの状態を確認できます。
| 状態 | 意味 |
|---|---|
| Draft(下書き) | 期首残高が登録されているが、まだ確定していない |
| Confirmed(確認済) | 期首残高が確認・確定された状態。確認日時・確認者が表示されます |
基本的な操作
1. 対象月を確認する
原価計算ワークベンチ で対象月を選んだ状態でこの画面を開きます。選択中の期間バッジが画面上部に表示されます。
2. 期首残高があるか確認する
すでに期首残高が登録されていれば、工程×型番ごとの一覧が表示されます。まだ登録されていない場合は「期首仕掛品残高が登録されていません。」と表示され、「前月繰越」ボタンで自動作成するよう案内されます。
3. 前月から繰り越す
**「前月繰越」**ボタンを押すと、確認ダイアログが表示されます。
前月の期末仕掛品残高を当月の期首残高にセットします。既存の期首残高は上書きされます。
内容を確認して実行すると、前月の期末残高が当月の期首残高として作成され、テーブルが最新の内容に更新されます。
注意: 既存の期首残高がある状態で「前月繰越」を実行すると、上書きされます。手で調整した期首残高がある場合は、繰越前に内容を控えておきましょう。
4. 内容を確認する
繰越後、工程×型番ごとに数量・DM/DL/OH・合計が妥当かを確認します。前月末に仕掛品が残っていない工程は、期首残高にも出てこないのが正常です。
活用のヒント
- 締めとセットで考える:原価計算ワークベンチ で前月を締める(Close)と、翌月への期首 WIP の繰越がバックグラウンドで自動実行されます。通常はこの自動繰越で期首残高がそろうため、本画面の「前月繰越」は繰越が走らなかったときの手動リカバリとして使うのが基本です。
- 計算前のチェックポイント:当月の原価を計算する前に、期首残高の合計金額が前月の期末仕掛金額と一致しているかを確認すると、月またぎの取りこぼしを防げます。
- 詳細レコードは一覧から:個々の期首残高レコードの中身を直接編集・確認したいときは、「Opening WIP Balance 一覧」から該当レコードを開きます。
よくある質問
Q: 「前月繰越」を押したら、手で入れた期首残高が消えました
「前月繰越」は前月の期末残高で上書きする操作です。手動調整した期首残高を残したい場合は、繰越を実行せず、Opening WIP Balance 一覧から直接調整してください。
Q: 期首残高が空のまま計算するとどうなりますか?
月初に仕掛品が本当に無い場合は空でも問題ありません。ただし前月末に仕掛品が残っていたのに期首が空だと、当月の原価が過小になります。計算前に必ず確認してください。
Q: 状態が Draft のままですが計算できますか?
期首残高の確定運用は現場の締めフローによります。確認日時・確認者を記録として残したい場合は Confirmed にしてから計算へ進むとよいでしょう。
Q: 期間が指定されていませんと出ます
この画面は単独では開けません。先に 原価計算ワークベンチ で対象月を選んでから開いてください。
次のステップ
- 対象月を選んで原価計算を実行する → 原価計算ワークベンチ
- 計算後の工程別の仕掛品残高を見る → 工程別仕掛品評価
- 配賦の設定・結果を確認する → 配賦
- 計算結果を検算する → 検算・差額レビュー
- 月次原価の全体像を理解する → 月次原価計算