需要予測の設定
ICS ハブ連携・リードタイム・Prophet 需要予測・EC 需要予測の 4 セクションで構成される管理画面の使い方。管理者・営業企画向けに、需要予測基盤の設定を解説します。

関連記事 予測の仕組み全体は 需要予測(AI)、月間俯瞰は 需要カレンダー、精度の可視化は 予測精度ダッシュボード を参照。 本記事は管理者/営業企画向けの設定画面です。日常運用だけなら他記事で十分です。
この画面でできること
需要予測の設定は、需要予測システムの基盤となる設定画面です。システム全体で 1 つだけ存在する設定レコードで、以下の 4 つをまとめて管理します。
- ICS ハブ連携:外部カレンダー(楽天 SALE / お歳暮など)の取込
- リードタイム設定:製造/出荷/原材料調達の標準日数
- Prophet 需要予測:長期予測(既定 90 日先)の有効化と対象商品グループ
- EC 需要予測:EC チャネル向け短期予測の有効化とチューニング設定
画面URL: /app/demand-intelligence-settings
こんなときに使う
- 初期導入時に ICS ハブ URL を本番用に書き換える
- Prophet 需要予測を有効化する(既定は無効)
- 製造・出荷・原材料調達のリードタイムを全社共通で設定する
- EC 予測の**自動チューニング閾値(MAPE)**を自社実態に合わせる
- 予測対象の商品グループを絞る
画面の全体像
画面は 4 つのセクションに分かれています。条件付きで表示されるフィールドもあるので、チェックを入れると関連項目が自動で現れます。
| # | セクション | 役割 |
|---|---|---|
| 1 | ICS ハブ連携 | 外部カレンダーの URL・自動同期の設定 |
| 2 | リードタイム設定 | 製造/出荷/原材料調達の標準日数 |
| 3 | Prophet 需要予測 | 長期予測の有効化と対象商品グループ |
| 4 | EC 需要予測 | EC チャネル向け短期予測と自動チューニング |
セクション 1:ICS ハブ連携
外部の ICS カレンダーフィード(楽天 SALE / お歳暮など)を取り込んで、需要カレンダー に反映するための設定です。
| 項目 | 内容 | 既定値 |
|---|---|---|
| ICS ハブ URL | 取込先の URL | http://localhost:8000/calendar/demand-events.ics |
| 自動同期 | 定期的な取込を有効化 | 無効 |
| 同期間隔(時間) | 自動同期の間隔 | 24 |
| 最終同期日時 | 直近の同期時刻(自動記録) | ― |
| 最終同期イベント数 | 直近の取込件数(自動記録) | ― |
- 「同期間隔」は「自動同期」を ON にしたときのみ表示されます
- 初期値の
localhostURL は本番環境で書き換えが必要です

セクション 2:リードタイム設定
製造・出荷・原材料調達のリードタイムを全社共通で指定します。受注進捗ボード や購買依頼の作成時に、この値が既定値として使われます。
| 項目 | 内容 | 既定値 |
|---|---|---|
| 製造リードタイム(日) | 製造にかかる標準日数 | 3 |
| 出荷リードタイム(日) | 出荷にかかる標準日数 | 2 |
| 原材料調達リードタイム(日) | 原材料の調達にかかる標準日数 | 7 |
| アラート事前通知日数 | 納期が近づいたときに警告を出すタイミング | 3 |
セクション 3:Prophet 需要予測
Meta 社の Prophet ライブラリを使った長期予測(既定 90 日先)の制御です。
| 項目 | 内容 | 既定値 |
|---|---|---|
| Prophet 予測を有効化 | 長期予測を ON/OFF | 無効 |
| 予測期間(日) | 何日先まで予測するか | 90 |
| 予測対象商品グループ | 予測を走らせる商品グループ | ― |
- 「Prophet 予測を有効化」を ON にしないと、下 2 項目は表示されません
- 初回有効化時は学習に数分〜数十分かかります
セクション 4:EC 需要予測
EC チャネル(楽天/Amazon/Yahoo! など)向けの短期予測を、Prophet とは独立に制御します。
| 項目 | 内容 | 既定値 |
|---|---|---|
| EC 予測を有効化 | EC 向け短期予測を ON/OFF | 無効 |
| 予測期間(日) | 何日先まで予測するか | 14 |
| 最小学習データ点数 | 学習を始めるのに必要な最小データ数 | 14 |
| 自動チューニング閾値(%) | 精度悪化を検知する MAPE の閾値 | 30 |
- 「EC 予測を有効化」を ON にしないと、下 3 項目は表示されません
- 閾値を超えた品目は 予測精度ダッシュボード で自動チューニング対象になります

主な操作
1. 初期導入時のセットアップ
- 画面を開く(管理者権限が必要)
- ICS ハブ URL を本番用の URL に書き換え
- 自動同期を ON にし、同期間隔を 24 時間にする
- リードタイムを自社の実態に合わせて調整(例:製造 5 日/出荷 1 日/調達 14 日)
- Prophet 予測を有効化し、予測対象の商品グループを指定
- EC 予測を有効化(EC チャネルがある場合のみ)
- 保存
2. 年度更新(4 月初)
- ICS URL が変わっていないか確認
- 前年度の自動チューニング実績を 予測精度ダッシュボード で振り返り
- リードタイムが実績とズレていれば調整
3. 精度が悪化したときの対応
- 予測精度ダッシュボード で精度(MAPE)が高い品目を特定
- 自動チューニング閾値を下げて再チューニング頻度を上げる(例:30% → 20%)
- 最小学習データ点数を増やして学習の安定性を上げる
- 2 週間様子を見て再評価
4. 商品グループを絞って予測対象を限定する
- 「予測対象商品グループ」に対象グループを指定
- 該当グループ配下の品目だけが Prophet 学習の対象になる
- 不要な低頻度品目を除外することで計算コストが下がります
連動する画面
| 連動先 | 役割 |
|---|---|
| 需要カレンダー | ICS ハブ URL から取り込んだイベントを表示 |
| 予測精度ダッシュボード | 閾値超過品目の自動チューニング対象を判定 |
| 受注 Hub 予測モード | EC 需要予測値の元データ |
| 購買依頼/製造指図 | リードタイム日数の参照先 |
| 商品グループマスタ | 予測対象商品グループの選択肢 |
権限
| ロール | 権限 |
|---|---|
| システム管理者 | 作成・削除・メール・印刷・読取・共有・書込(すべて可能) |
| デモ閲覧者 | メール・読取・共有 |
| デモ操作者 | メール・出力・印刷・読取・共有 |
通常の営業ユーザー・製造マネージャーは対象外です。管理者寄りの権限設計になっています。本記事は営業(sales)配下に置いていますが、実際の運用は管理者が担当するのが一般的です。
設定のハマりどころ:この画面にカスタム権限が追加されている場合、標準の権限設定は上書きされ、カスタム権限側のロールのみが有効になります。デモ環境では、この理由でシステム管理者でも画面が「見つかりません」になる事象が発生します。対策はカスタム権限に必要なロール(デモなら Demo User Role / System Manager)を追加し、キャッシュをクリアして再読込してください。
依存する前提条件
- 商品グループマスタ(予測対象商品グループの選択肢として必要)
- ICS ハブサーバ(外部フィードまたは社内 Flask サーバ)
- Prophet(Python パッケージ、conda / pip で導入)
- スケジューラ(自動同期・自動チューニングの実行基盤)
デモ環境での注意点
- 初期値のままであることが多い(ICS URL が
localhost、Prophet / EC 予測は無効) - 本番導入前には必ず 4 セクションすべてを確認してください
- Prophet 有効化後は初回学習に数分〜数十分かかります
- カスタム権限による権限の上書きに注意(「権限」セクションの「設定のハマりどころ」参照)
活用のヒント
- 初期 2〜3 ヶ月は既定値で運用:自動チューニングが学習するのを待つ
- 変更は 1 つずつ:複数パラメータを同時に変えると原因の切り分けが困難
- 変更前後は精度ダッシュボードで比較を習慣化
- ICS URL は HTTPS 必須:社内規程でも HTTPS のみ推奨
- 同期頻度はほどほどに:1 日 1 回程度の同期で十分
よくある質問
Q: Prophet の詳細パラメータを直接編集できますか?
本設定画面では直接編集できません。Prophet の内部パラメータは自動チューニングが自動調整します。手動で固定値を与えたい場合は、開発側への実装追加依頼が必要です。
Q: 設定変更はいつ反映されますか?
即時反映されますが、実行中の予測ジョブには影響しません(次回実行から有効)。自動同期の設定変更は、次回スケジューラ起動時に反映されます。
Q: 変更履歴を見るには?
画面右上のバージョンタイムライン(⏱ アイコン)から、自動蓄積された変更履歴を確認できます。
Q: ICS ハブ URL を localhost のまま運用したら?
社内の Flask サーバが同じホストで動作している場合は localhost で正常動作します。ただしデモ環境や本番では、社内ネットワーク上の HTTPS エンドポイントを推奨します。
Q: この画面は管理者メニューに移動すべき?
内容は管理者寄りですが、運用主体が営業企画チームになるケースも多いことから、現時点では営業(sales)配下に置いて「上級者向け」と明示する構成にしています。
次のステップ
- 設定後に月間俯瞰 → 需要カレンダー
- 精度を月末に振り返る → 予測精度ダッシュボード
- 予測の仕組み全体 → 需要予測(AI)
- 予測モードでの入力 → 受注 Hub 予測モード