見積作成(工程別原価型)
基本情報 / 原価・ロット / 初期費用 / 物流 / サマリー / 複数案比較の 6 タブで構成された、工程ごとに原価を積み上げる見積画面。工程 × コスト要素のマトリクス・テンプレート適用・複数案比較・見積書への転記までを解説します。

関連記事 構成表(セクション階層)型は 見積作成(構成表型)、スマホ向けはモバイル見積を参照してください。 出力された見積書の管理は共通の見積書画面で行います。
この画面でできること
見積作成(工程別原価型)は、工程ごとに原価を積み上げるための見積書作成画面です。6 タブ構成で、工程 × コスト要素のマトリクスに材料費・加工費・外注費を工程ごとに入力し、完成後に標準の見積書に転記します。
- 工程ごとに原価を詳細に積み上げる
- **金型費・治具費など初期費用(NRE)**を明細で管理する
- 輸送費・梱包費を本体価格と分離して計上する
- 同じ取引先向けに複数の原価シナリオを並列で比較する
- 繰返し案件で原価テンプレートを使って素早く起票する
画面URL: /app/quotation-matrix-view
他の見積画面との使い分け
| 画面 | 構造 | 用途 |
|---|---|---|
| 見積作成(構成表型) | セクション階層 | 標準品の組合せ/内訳提示 |
| 工程別原価型(本記事) | 6 タブ + 原価マトリクス | カスタム製品・外注加工 |
| モバイル見積 | スマホ画面 | 外出先での即時見積 |
6 タブの構成
| # | タブ | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 基本情報 | 取引先/品目/引合紐付け/状態 |
| 2 | 原価・ロット | ★メインタブ。工程 × コスト要素のマトリクス |
| 3 | 初期費用 | 金型費・治具費・試作費等の初期費用(NRE) |
| 4 | 物流 | 配送費・梱包費 |
| 5 | サマリー | 集計結果(総原価・マージン率・希望販売価格) |
| 6 | 複数案比較 | 複数シナリオの並列比較 |
ヘッダ
- 原価マトリクス番号(選択ツール付き切替可)
- 状態バッジ:下書き/承認済み/転記済み/保留
- 取引先・品目のヘッダ項目(直接編集可)

原価タブ:工程×コスト要素のマトリクス
**工程(行) × コスト要素(列)**のマトリクスで、材料費・加工費・外注費を工程ごとに入力します。

行(工程)
原価テンプレートで定義した工程群、または原価テンプレートで一括投入される工程構成です。工程手順(ルーティング)と連動する想定です。
列(コスト要素)
代表的な項目は次のとおりです(カスタマイズ可)。
- 材料費
- 加工費
- 外注費
- 人件費
- 間接費
テンプレート適用
繰返し案件では原価テンプレートから工程構成を一括投入できます。
- 「テンプレート選択」ボタンをクリック
- 原価テンプレートを選択(業界・取引先別に事前登録)
- 工程 × コスト要素の雛形が投入される
- 案件固有の数値で上書き
初期費用(NRE)タブ
製造開始時に1 回だけ発生する費用を明細で管理します。

| 費目例 | 説明 |
|---|---|
| 金型費 | 新規金型の製作費 |
| 治具費 | 専用治具・ジグの製作費 |
| 試作費 | 試作品の製作費 |
| 初回セットアップ費 | 製造ラインの初期設定 |
NRE(初期費用) とは、製造開始時に 1 回だけ発生する非経常費用(Non-Recurring Engineering)のことです。
初期費用は按分ルールを指定可能です(全ロット按分/初回一括/段階償却など)。
物流タブ
輸送費・梱包費を本体見積と分離して計上します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 輸送手段 | トラック/コンテナ/航空便など |
| 単価 | 1 回あたりの費用 |
| 数量 | 便数 |
見積書への転記時に別行として出力できるため、顧客に物流費の内訳を明示しやすくなります。
サマリータブ
全タブの入力から計算された集計です。
- 総原価 = 工程合計 + 初期費用 + 物流
- マージン率 = 希望利益率
- 希望販売価格 = 総原価 × (1 + マージン率)
複数案比較タブ
同じ取引先・同じ品目に対する複数の原価シナリオを並列比較します。

- A 案:国内生産
- B 案:海外生産 + 輸入
- C 案:内作 + 部分外注
といったシナリオ比較で提案書を組み立てる運用に向きます。
操作手順
1. 新規作成する
Ctrl+Kで「見積作成(工程別原価型)」を選択- または引合から遷移(URL に
?opportunity=XXXで自動入力) - 基本情報タブで取引先・品目・案件を指定
- 保存して下書き状態に
2. テンプレートを適用して工程を投入
- 原価タブを開く
- **「テンプレート適用」**で原価テンプレートを選択
- 工程 × コスト要素のマトリクスに雛形が投入される
- 案件固有の数値で上書き
3. 初期費用/物流を追加
- 初期費用タブで金型・治具等の費用を登録
- 物流タブで輸送手段・単価・便数を入力
- サマリータブで合計を確認
4. 複数案の並列比較
- 複数案比較タブを開く
- 「新しい案を追加」で A 案をコピー → 一部数値を変更 → B 案として保存
- 並列表示で総原価・マージン率・納期などを比較
- 採用案を決定
5. 見積書に転記
- 状態を下書き → 承認済みに変更
- **「見積書作成」**ボタンをクリック
- 標準の見積書が自動生成され、原価・初期費用・物流の内容が明細として展開
- 転記先の見積書 ID が記録されます
- 以降は標準の見積書で印刷・PDF・受注変換
注意:すでに見積書が紐づいている原価マトリクスで再度「見積書作成」を実行するとエラーになります。上書きしたい場合は強制オプションを指定してください。
6. 既存マトリクスの切替
ヘッダ左の選択ツールで別マトリクスに切替可能です。取引先名・品目・状態で絞り込んで検索できます。
注意:選択ツールから切替する際、未保存の変更が破棄される可能性があります。
Ctrl+Sでの明示保存を習慣化してください。
状態と業務の流れ
| 状態 | 意味 |
|---|---|
| 下書き | 編集中 |
| 承認済み | 承認済み、見積書作成待ち |
| 転記済み | 見積書に転記済み |
| 保留 | 承認待ち |
連動する画面
| 連動先 | 役割 |
|---|---|
| 見積作成(構成表型) | 同じ見積書を階層型で編集 |
| CRM 司令塔 の見積タブ | 見積の一覧 |
| 引合 | 案件紐付け、URL 事前入力の上流 |
| 原価テンプレート | 繰返しの雛形 |
権限とロール
| ロール | 権限 |
|---|---|
| システム管理者 | ✅ |
| 営業担当 | ✅ |
| 営業マネージャ | ✅ |
| デモ閲覧者/デモ操作者 | ✅ |
事前に必要な設定
必須
- 原価テンプレートの事前登録
- テンプレートカテゴリ/工程の構造定義
- 品目マスタ(対象品目)
- 工程/作業場(工程原価の単価)
推奨
- 引合マスタ(案件からの引継)
- 承認ワークフロータイプ
動作の注意点
- 再転記の排他制御:すでに見積書が紐づいているマトリクスで再実行するとエラー。強制オプションで再送信可
- 転記済み後は編集不可(推定)
- 選択ツール切替で未保存変更が破棄される可能性 →
Ctrl+Sで明示保存を習慣化 - 構成表型との関係:同じ見積書に対して両画面でアクセス可能。本画面経由の場合は原価マトリクスが先、見積書が従
活用のヒント
- テンプレートを充実させる:繰返し業態なら原価テンプレートを業界別に 5〜10 個登録すると時短効果大
- 初期費用と物流は分離:顧客に費用構造を明示できるため交渉が透明に
- 複数案比較で勝率アップ:金額差だけでなく納期・品質差も並べて提示
- 状態運用ルール:チーム内で下書き/承認済み/転記済みの定義を合わせる
- 工程原価の単価を定期見直し:工程の時間単価は年次で実績と突合
よくある質問
Q: 構成表型と工程別原価型、どちらを使うべき?
- 部品構成が主 → 見積作成(構成表型)
- 工程・原価積上が主 → 工程別原価型(本画面)
同じ見積書として保存されるので、1 つの案件で画面を切替えて併用も可能です。ただし本画面経由の場合は先に原価マトリクスが作られる点に注意してください。
Q: 原価テンプレートはどこで管理しますか?
原価テンプレートの一覧画面(検索バーで検索)で管理します。業界・取引先別に雛形を登録しておきます。
Q: 初期費用の按分ルールは?
実装により異なりますが、代表的には「全ロット按分」「初回一括」「段階償却」の 3 パターンです。案件に応じて選択します。
Q: 見積書に転記した後、マトリクスを変えたら見積書も自動更新されますか?
いいえ、転記された見積書は独立して編集可能です。マトリクス変更を反映したい場合は強制オプションで再転記してください。
Q: 工程手順マスタがないと使えませんか?
原価テンプレートに工程情報が含まれていれば工程手順マスタなしでも動作します。ただし工程の時間単価との連動は有用なので、整備を推奨します。
次のステップ
- 構成表型で組立品の内訳を作る → 見積作成(構成表型)
- 見積から受注変換 → CRM 司令塔 の受注変換タブ
- 営業業務全体像 → 営業業務フロー