需要予測(AI予測・需要カレンダー)
AI が過去の販売データから将来の需要を予測し、ECセールなどのイベント影響も加味して生産計画に活用する仕組みを解説します。予測エンジン・需要カレンダー・精度フィードバックの全体像を扱います。

関連記事 本記事は需要予測の仕組みと全体像を解説します。実際の画面操作は以下を参照してください。
- 需要カレンダー:月間の需要・生産・売上を俯瞰
- 予測精度ダッシュボード:予測と実績の差異を可視化
- 需要予測の設定:予測パラメータ・取込元の管理
受注進捗への反映は 受注進捗ボード を参照してください。
この画面でできること
需要予測は、**過去の販売データと AI の統計モデル(Prophet(時系列AI予測))**を使って、「来週・再来週に、各品目がどれくらい売れるか」を予測し、生産計画に活用する仕組みです。Prophet は Meta 社(旧 Facebook)が開発・公開している時系列予測ライブラリで、売上や需要のような季節性のあるデータの予測に世界中で使われています。
これまで「勘と経験」に頼っていた生産量の見積もりを、AI + 社長の経験のハイブリッドで、精度高く行えるようにします。
このページのポイント
- AI が販売データから自動で需要予測:過去の実績をもとに、来週の各品目の売行きを自動で算出します
- ECセールの影響を自動で加味:楽天スーパーSALE などのイベントを自動で検知し、増産の提案を表示します
- 使うほど AI が賢くなる:予測と実績のズレを自動で学習し、次回の予測精度が向上します
画面URL: /app/demand-calendar, /app/forecast-adjustment

需要予測が解決する3つの課題
| これまで(勘と経験) | → | これから(AI + 経験) |
|---|---|---|
| 「先週と同じ量作っておく」→ セール期間に欠品 | → | セール前に +35% 増産の提案が自動で出る |
| 「お歳暮は多めに作ろう…」(感覚の数字) | → | 過去 3 年のデータから AI が 具体的な数量を算出 |
| 楽天のセールに気づかず対応が遅れる | → | ECイベントを自動で検知して事前に気づける |
| 予測が外れても振り返りなし | → | 予測精度を自動で計測し、AI が内部パラメータを自動調整 |
全体の流れ
需要予測から生産指示までの業務の流れです。AI が叩き台を出し、社長の経験で仕上げる形です。
過去の販売データ → AI予測(Prophet) → 社長が微調整 → 生産提案に自動反映
↑ ↓
ECイベント自動収集 ← 予測精度フィードバック ← 実績との比較
| ステップ | やること | 所要時間 |
|---|---|---|
| イベント確認 | 需要カレンダーで今月の ECセール・イベントを確認 | 1分 |
| AI予測の確認 | 予測ダッシュボードで AI の予測数量を確認 | 1分 |
| 数量の微調整 | セール期間は +10%、落ち着く週は -5% など一括調整 | 2分 |
| 生産提案に活用 | 予測値は受注進捗ボードに自動反映(操作不要) | 自動 |
シーン1:需要カレンダーで月間の全体像を俯瞰する
需要カレンダーは、1 つの画面で 5 つの視点から月間の状況を見渡せるダッシュボードです。毎週最初に開いて、今月の全体像を確認します。
画面URL: /app/demand-calendar
5 つのタブ
| タブ | 何が見えるか |
|---|---|
| 需要イベント | 楽天セール・お歳暮などの ECイベントをカレンダー上に色付きバーで表示。影響度(+35% など)と増産の提案付き |
| 生産 | 日ごとの生産量をヒートマップで表示。忙しい日・品目ランキングを一目で把握 |
| 売上・受注 | 受注件数・金額の推移。ECチャネル別(楽天 / Amazon / Yahoo!)の内訳 |
| 会計 | 入出金のタイミングをカレンダー上に表示。資金繰りの予定を確認 |
| 仕入れ・在庫 | 発注品の在庫状況と発注タイミング、賞味期限のアラート |

生産タブ:日ごとの生産量をヒートマップで表示、品目別ランキング付き:

売上・受注タブ:ECチャネル別の受注内訳と顧客ランキング:

やること
- 需要カレンダーを開く
- 需要イベントタブで今月のイベントバーを確認
- 右側の 今月の提案パネルで品目グループ別の増産率を確認
- 他のタブ(生産・売上・会計・仕入れ)もざっと確認して全体像を把握
これまでとこれから
| これまで | これから |
|---|---|
| 楽天・Amazon・Yahoo! を別々の管理画面で確認 | 1 画面 5 タブで全チャネルの状況を一望 |
| セール情報を各サイトで手動チェック | カレンダーにイベントが自動で表示される |
シーン2:ECイベントを自動で収集する

楽天スーパーSALE やお歳暮・マラソンなどの ECイベントは、ICS カレンダー連携を通じて自動で収集されます。突発的なセールも AI スクレイピングや検索 API で検知してカレンダーに反映されます。
イベント収集の 3 つの方法
| 方法 | 説明 |
|---|---|
| ICS 自動同期 | 外部の ICS カレンダーフィードからイベント情報を自動取込。AIスクレイピング/検索 API で突発セールも検知 |
| 年間定例イベントの自動生成 | 「年間定例イベント生成」ボタンで、楽天スーパーSALE(年 4 回)・お歳暮・マラソン(毎月)などを 1 年分まとめて自動登録 |
| 手動追加 | 「+ イベント追加」ボタンで、自社イベントや地域イベントを手動登録 |

イベント追加の手順
- 需要カレンダー右上の 「+ イベント追加」 ボタンをクリック
- 画面で次を入力
- イベント名:例「楽天スーパーSALE」
- イベント区分:ECセール/国民イベント/自社イベント
- プラットフォーム:楽天/Amazon/Yahoo! など(ECセールの場合)
- 開始日・終了日
- 影響度(%):通常時と比べて何%増加するか(例:
35で +35%)
- 「追加」 ボタンで登録。カレンダーに色付きバーで表示されます
影響度の目安
登録時の「影響度」は、通常の生産量に対して何%増やすかを表します。
| レベル | 影響度 | 意味 | 具体例 |
|---|---|---|---|
| 大幅増産 | +30% 以上 | 通常の 1.3 倍以上 | 楽天スーパーSALE、お歳暮シーズン |
| 増産 | +15〜29% | 通常の 1.15〜1.29 倍 | お中元、マラソン |
| やや増産 | +5〜14% | 通常の 1.05〜1.14 倍 | 自社キャンペーン、ポイント倍付けデー |
| 通常 | 0〜4% | ほぼ通常通り | 通常営業日 |
この目安も AI が自動で改善します
上記の影響度はあくまで初期値です。シーン 4 で解説する「予測精度フィードバック」により、イベントごとの予測と実績のズレを AI が自動で学習し、次回以降の推奨影響度がより正確な数値に自動更新されます。使い続けるほど、御社の品目特性・イベント傾向に最適化された目安に進化します。
これまでとこれから
| これまで | これから |
|---|---|
| 各ECサイトのセール情報を手動で 30 分かけてチェック | ICS 連携で自動同期、突発セールも検知 |
| 年間のセール日程を 1 つずつ手入力 | ワンクリックで 1 年分を自動生成 |
シーン3:AI 予測を確認して微調整する
予測ダッシュボードでは、AI が算出した品目×日の予測数量を表形式で確認・編集できます。内示向けとEC 向けの 2 つの予測エンジンを搭載しています。
画面URL: /app/forecast-adjustment

2 つの予測エンジン
| エンジン | 予測対象 | 予測期間 | 学習データ |
|---|---|---|---|
| 内示予測 | スーパー・量販店の内示 | 8 週間先 | 過去の内示データ(品目×顧客×日) |
| EC 予測 | 楽天・Amazon・Yahoo! の注文 | 2 週間先 | 過去 90 日の EC 受注データ |
どちらのエンジンも Meta 社製の Prophet(時系列AI予測)を使い、ECセールイベントを特別日として組み込むことで、セール期間の需要急増を予測に反映します。
やること
- 予測ダッシュボードを開く
- 上部のタブで **「内示予測」または「EC 予測」**を選択
- 表で品目×日の予測数量を確認
- セール期間に合わせて 一括調整ボタンで全品目を調整
- +5% / +10% / +20%:セール前の増産
- -5% / -10% / -20%:セール後の調整
- カスタム%:任意の割合で調整
- 個別品目の数量は、セルをダブルクリックして直接編集も可能
サマリー表示
画面上部のサマリーバーには、次の集計値が常に表示されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 期間 | 表示中の日付範囲 |
| 品目数 | 予測対象の品目数 |
| 合計数量 | 全品目の予測数量の合計 |
| 合計金額 | 予測売上金額の合計 |
| 内示予測/EC 予測/確定 | データの種別ごとの件数 |
これまでとこれから
| これまで | これから |
|---|---|
| Excel で先週の実績をコピーして手計算、1 時間 | AI の予測値を確認して一括±%調整するだけ、5 分 |
| 品目ごとに個別で数量を入力 | 全品目まとめて +10% → 必要な品目だけ個別補正 |
シーン4:予測精度をフィードバックして改善する
このシステムの最大の特長は、使えば使うほど AI の精度が上がる自己学習の仕組みです。予測と実績を自動で比較し、内部パラメータを自動で再調整します。
精度パネル
需要カレンダーの需要イベントタブには 「予測精度」パネルがあり、イベント×品目グループごとの予測精度を確認できます。

| 列 | 内容 |
|---|---|
| イベント | 対象の ECイベント名 |
| 品目グループ | 品目グループ名 |
| 予測 | イベント期間中の予測増産率(%) |
| 実績 | 実際の販売増加率(%) |
| 差異 | 予測と実績のズレ。±5% 以内なら緑、±15% 以内なら黄、それ以上なら赤 |
| 精度 | 精度スコア(100 点満点) |
生産提案チャート
「生産提案」チャートでは、品目グループ別に 手動設定値と AI 学習値を横棒グラフで並べて比較できます。AI がイベント実績から学習した推奨影響度を参考にして、次回の手動設定値を改善できます。

自動パラメータ調整
精度が基準値を下回ると、AI が Prophet の内部パラメータを自動で再調整します。手動での操作は不要です。
| 項目 | 仕組み |
|---|---|
| 精度計測 | 予測と実績のズレ度合い(MAPE:平均絶対誤差率)を自動で計測 |
| 自動調整 | 精度が低い場合、AI が内部パラメータを探索的に調整して最適値を探す |
| 実行タイミング | 内示予測は週次、EC 予測は日次で自動実行 |
やること(月 1 回の振り返り)
- 需要カレンダーの 「予測精度」パネルを確認
- 差異が赤の品目グループに注目
- 生産提案チャートで AI 学習値と 手動値を比較
- 次月のイベント登録時に、学習値を参考に影響度を更新
これまでとこれから
| これまで | これから |
|---|---|
| 予測が外れても改善の仕組みがない | MAPE で自動計測、差異を緑・黄・赤で可視化 |
| パラメータは固定 | 精度低下時に自動でパラメータ再調整 |
| 同じ失敗を繰り返す | AI 学習値を参考に次回の影響度を改善 |
活用のヒント
- AI は叩き台:AI の予測は「たたき台」です。社長の経験を加味して最終数量は自由に調整できます。「AI に任せきり」ではなく「AI + 経験」で精度を上げていきます
- セール前は早めに確認:ECイベントの影響は開始日の数日前から発注準備に影響します。1 週間前にはカレンダーを確認しましょう
- 影響度はあとから変更可能:イベント一覧の行をクリックすれば、いつでも影響度を補正できます
- 年初の一括登録:年初に「年間定例イベント生成」を 1 回実行しておくと、主要な ECセールが自動で登録されます
- 受注進捗ボードと連携:予測値は 受注進捗ボード に自動反映されます。別途操作は不要です
この記事のまとめ
- 需要予測は、AI + 社長の経験のハイブリッドで、勘に頼らない生産計画を実現します
- 需要カレンダーで ECセールや生産実績を 1 画面で俯瞰でき、5 つのタブで全体像が分かります
- 予測精度は自動で改善され、使い続けるほど御社に最適化されます